なぜ狙われたのか
警察からは、一般的な注意としてこんな説明も受けました。
「SNS上で資産額や投資経験を具体的に発信していると、目を付けられやすい傾向があります」
道夫さんの投稿には、年金額や運用方針など、本人は善意のつもりで書いた“リアルな情報”が含まれていました。
「まさか、それが狙われる材料になるとは思いませんでした」
警察庁の統計でも、SNSをきっかけとする投資詐欺は被害が拡大しやすく、被害者層は40代~60代が中心となる年もあります。1件当たりの被害額が高額化しやすい点も指摘されています。
また金融庁も、SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付を設けるなど注意喚起を行っており、勧誘元が金融商品取引業者として登録を受けているか確認する重要性を示しています。
現在、小川さん夫婦は被害額を織り込んだ家計の見直しを進め、支出を抑えながら生活の立て直しを図っています。
「“もっと増やさなきゃ”という気持ちが、逆に落とし穴でした。今は、資産を増やすことより、どう守るかを考えるようになりました」
資産や年金額が十分に見えていても、それだけで「安心老後」が約束されるわけではありません。SNSという、誰に見られているかわからない空間で、「どんな情報を出すのか」「誰に見せるのか」――その判断自体が、老後の資産を左右する時代になっています。
“安心老後”を守るのは、残高の多さだけではありません。情報との付き合い方こそが、最大の資産防衛なのかもしれません。
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