これは親孝行なんだよ…36歳“出戻り息子”が放った「戦慄のひと言」。年金月23万円から小遣い月5万円を笑顔で渡す「母の献身」と「父の憂鬱」

これは親孝行なんだよ…36歳“出戻り息子”が放った「戦慄のひと言」。年金月23万円から小遣い月5万円を笑顔で渡す「母の献身」と「父の憂鬱」

地方都市で暮らす高齢夫婦のもとに、37歳の息子が「立て直し」を理由に帰省。息子を溺愛し献身的に支える母と、老後資金の目減りに不安を募らせる父の間に溝が生じます。期限も役割も決めない同居が、家計と将来を脅かす現実――。事例とともに見ていきましょう。

「出戻り息子」が実家に帰還…喜ぶ母、黙り込む父

地方都市で暮らすCさん(74歳・仮名)は妻(71歳)と2人、静かに暮らしてきました。そこに突然加わったのが、36歳になる一人息子です。

 

息子は大学卒業後、「東京で働く」といって実家を出ました。それ以来、転職を繰り返していたようですが、10ヵ月前「体調を崩した、しばらく実家で立て直したい」と帰ってきたのです。

 

Cさんにとって、それは想定外の出来事。一方で、妻の反応はまるで違いました。

 

「東京でよく頑張ってきたね。帰ってきてくれてうれしいよ!」

 

もともと息子を溺愛していた妻。一人っ子ということもあり、息子が家を出ていった時の消沈ぶりを、Cさんはまだ覚えています。

 

10数年ぶりの息子の帰還に、妻の毎日は一変しました。朝は息子の好みに合わせた食事を用意し、果物は皮をむいて出す。洗濯も掃除も「あなたはいいのよ」とすべて引き受けます。

 

「パートを辞めて数年、生きがいがなかったところに息子が帰ってきて、愛情を全開で注いでいる感じなんですよ。息子は風貌が学生の時からあまり変わっていない童顔なのも、妻が甘やかしてしまう一因なのかもしれません」

 

その息子は家事を手伝うこともなく、ゲームをしたり、ふらっと外出したり。Cさんが「そろそろ働いたらどうだ」と促しても、「まだ体調が戻りきってないんだ、もうちょっと待ってよ」と、はぐらされる日々でした。

「ずっとここにいようかな」背筋の凍るひと言

Cさん夫婦の資産は、預貯金約2,600万円。年金収入は夫婦で月23万円。2人なら細く長く暮らせる計算でした。

 

しかし、息子が戻ってきてからというもの、食費は一気に倍以上に。光熱費も上昇。さらに妻は「お金が必要でしょう」と、毎月5万円のおこづかいを息子に渡していました。

 

「息子に聞くと、貯金もほとんどないっていうんですよ。それで40歳近い息子に年金から小遣いを出してるんです。正直、恐ろしい事態ですよ。私がやめろといっても、妻がこっそり渡してしまうんです」

 

危機感を募らせるCさんの一方で、妻は「今は大変な時期なの。親なんだから支えなきゃ」と息子をかばいます。

 

そんな母の献身を当然のように受け入れ、ついには息子から、こんな言葉まで飛び出しました。

 

「俺がここにいるだけで親孝行なんだよね、母さんにとっては。ずっとここにいようかな?」

 

――冗談めかした口調でしたが、Cさんの背筋は凍りました。このまま息子が定職に就かず、実家に居続けたらどうなるのか。老後資金が目減りし、介護や医療が必要になったとき、支え合う余力は残っているのか。

 

「このままじゃ共倒れですよ」

 

Cさんは肩を落とします。

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