(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後は安心して暮らしたい」――そう考え、計画的に貯蓄を重ね、年金の受給見通しも立てば、誰しも心に余裕が生まれるものです。2019年には、金融庁の審議会で取りまとめられた報告書をきっかけに、高齢夫婦世帯をモデルにした試算が「老後2,000万円問題」として大きな話題になりました。もっとも、これはあくまで“平均的なモデルケース”を前提とした試算で、個々の世帯の状況によって必要額は大きく変わります。 十分な年金収入や金融資産を確保できていれば、「自分たちは大丈夫」と考える人も少なくありません。しかし現実には、資産があるからこそ、思わぬリスクにさらされるケースもあります。

「お金のことは、もう心配ないと思っていたんです」

そう語るのは、埼玉県に暮らす小川道夫さん(仮名・65歳)。妻の郁子さん(仮名・63歳)と2人暮らしで、大手企業を定年退職しました。

 

企業年金と厚生年金を合わせた年金収入は月32万円ほど。住宅ローンはすでに完済しており、老後資金として預貯金や投資信託を合わせて約2,500万円を保有していました。

 

「贅沢をしなければ、十分やっていけると思っていました。子どもたちも独立して、夫婦ふたりで静かに暮らすつもりだったんです」

 

そんな道夫さんが始めたのが、シニア世代向けに「退職後の資産管理」や「年金制度」について発信するSNSアカウントでした。

 

X(旧Twitter)で、自身の体験をもとに投稿を続け、フォロワーは100人ほど。「勉強になります」「参考にしています」といった反応もあり、次第に発信が日課になっていったといいます。

 

ある日、見知らぬアカウントからダイレクトメッセージが届きました。

 

「資産2,000万円以上の方限定で、特別な海外投資案件をご案内しています」

 

添付されていたのは、海外債券の資料とされるPDFファイル。年利8%、政府保証付き、日本の銀行口座から購入可能――一見すると、もっともらしい内容でした。

 

「最初は疑っていました。でもやりとりが丁寧で、質問にもすぐ答えてくれて…」

 

道夫さんは「試しに」と200万円を振り込みました。すると数週間後、利息のような入金があり、相手からは「運用は順調です」と連絡が届きます。

 

その後、追加投資の勧誘が始まりました。

 

「ここで増額すれば、老後資金にもっと余裕が出ますよ」

 

迷いながらも数回に分けて送金し、被害額は最終的に約680万円に。不審に思って問い合わせた時には、相手のアカウントはすでに削除され、振込先の口座も解約されていました。

 

警察に相談しましたが、「相手の実態がつかみにくく、追跡や回収が難しいケースもある」と説明されたといいます。

 

 \1月10日(土)-12日(月)限定配信/
税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

次ページなぜ狙われたのか

※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録