銀行は「相談相手」だが、「判断者」ではない
「銀行が悪いとは思っていません。ただ、“任せきり”にしていた自分が問題だったんだと思います」
佐々木さんはそう振り返ります。
銀行窓口は、あくまで金融商品の販売の場。顧客の人生設計すべてを見据えて、制度の使い方や長期的な資産形成を“主体的に”提案してくれるとは限りません。
2024年には新NISA制度が始まり、非課税投資枠は大幅に拡大されました。しかし、60代以上の新規利用者は依然として多いとは言えない状況です。
「年金だけで足りる時代じゃない。もっと早く知っていれば、選択肢は違ったと思います」
年金額の伸び悩み、物価高、長寿化──。いまや「貯める」だけでは老後の備えが足りない時代です。
銀行に相談すること自体は、決して悪いことではありません。ただし、「相談」はしても、「判断」まで委ねてしまうと、気づかないうちに選択肢を狭めてしまうことがあります。
「“気づき”が、あと10年早ければ…」
佐々木さんの言葉は、静かに、しかし重く響いていました。
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