「赤い封筒ひとつで、年金が止まるなんて…」
差押え対象となった口座は、勝さんの年金受取口座でした。年金そのものが止まったわけではありませんが、振り込まれた後の預金が引き出せず、一時的にATMでの利用が制限されました。
「まさか生活費の口座が凍結されるなんて…。年金だけで生きているのに、あれは本当に怖かったです」
その後、健さんが区役所に出向き、分納計画を提出してようやく差押えは解除。滞納額約27万円に延滞金を加え、総額32万円を半年かけて支払うことになりました。
「保険料くらい、払えなかったら連絡すればよかった。でもそれすらしてこなかった俺が悪い」
健さんはそう反省します。
保険証は使っていない。加入者は別。でも名義は“世帯主”――。そんな“見えない落とし穴”が、慎ましい老後を脅かすことがあります。
封筒を開けなかったこと。放っておいたこと。知らなかったこと。すべてが、家族を巻き込む火種になります。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
