お金があるからこそ、逃げ場がない
「もし私が生活に困っていたら、“自分のことで精一杯”って言えたかもしれません。でも、余裕があるから、全部引き受ける役回りになる」
恵子さんはそう語ります。
「老後って、自由になる時間だと思っていました。でも現実は、“家族の調整役”をまだまだ続けなければならない」
年金や貯蓄が十分にあっても、家族関係や役割の偏りが続けば、老後は決して穏やかなものにはなりません。老後の安心とは、資産額だけでなく、「どこまで背負うのか」「どこで手放すのか」を決められているかどうかでも左右されます。
「お金の心配はない。でも、心の余裕がない。それが、今の私です」
恵子さんの言葉は、“何の心配もない老後”というイメージが、必ずしも現実を映していないことを静かに物語っていました。
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