医療や介護時の希望は口にしづらいが…
いざ医療や介護からのサポートが必要になったとき、こんな風にしてほしい、こんな風に過ごしたい、なにを優先してほしいか、人生の晩年をどのように迎えたいか、といった希望を口に出すことに抵抗を感じる人は少なくないようです。本人から発信しない限りほかの人が知ることはできませんが、家族からすれば、本人の意思がわからなくて困った、という声は珍しくありません。
大切なことは「伝え方」ではないでしょうか。まずは自分自身のこれまでの人生を振り返り、自分のコアを知る。そのうえで家族に伝えることができれば、家族への感謝のメッセージに変わるケースは少なくありません。
少なくとも本人の人生観の軸となるものや日々の暮らしで幸せに思っていること、好きだったことややりたかったことが共有できていれば、上手に折り合いを付けられる選択が可能になるかもしれません。
終活とは「晩年のライフプラン」を描くこと
終活を自身の万が一に備えるもの、と後ろ向きに捉える人が多いですが、そうした一面には限りません。人生の晩年に自分の希望を叶えるための取扱説明書ともいえます。
Aさんが言葉にできなかったのは、施設が嫌だという感情ではなく、自分の望む人生のために“どんな暮らしを続けたかったのか”という思いでした。
介護の現場では、『本人のため』と『家族のため』が、同時に成立しない場面が確かに存在します。ですが、もし自身の晩年のライフプランを描き、希望を伝えられていたら家族の捉え方は変わり、選択肢ががらりと変わる可能性があります。そのためには早めの対策が必要です。
「まだ先の話」と思えるいまこそが、自分の人生の舵を自分で握れる、一番大切なタイミングなのかもしれません。
内田 英子
FPオフィスツクル代表
ファイナンシャルプランナー
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