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「あなたたちの家でお正月を過ごしたいの」
埼玉県内の新興住宅地に暮らす神木あかりさん(35歳・仮名)は、夫(38歳)と4歳の娘の3人暮らし。共働きで世帯年収は1,000万円。昨年ようやく念願の新築一軒家を建てました。
茨城県に住む義母(73歳)は年金月13万円で、小さな平屋に一人暮らし。お正月は、毎年年始に日帰りで顔を出す程度の“付かず離れず”の関係が心地よい距離でした。
ところが今年——義母が突然、とんでもないことを言い出したのです。
その日、電話口の義母は明るい声で切り出しました。
「うちも狭いし、たまにはみんなで集まりたいの。せっかく家を建てたんだから、あなたたちの家でお正月を過ごしたいわ」
義母だけなら、まだ許容範囲かもしれません。しかし問題はその次の一言でした。
「それからね、義妹ちゃん一家も呼びたいの。東京って行っても車ならすぐじゃない? せっかくだから、みんなで賑やかに過ごしたいじゃない?」
義妹(35歳)は東京の埼玉寄りに在住。2歳と5歳の男の子がいますが、その兄弟がかなり“ヤンチャ”というより、あかりさん曰く「しつけしてるの? と疑うレベル」。これまで極力会わずにきたのも、正直そのためでした。
この新築の家に呼ぶなんて、絶対に無理。
あかりさんは迷わず、夫に“断り役”をお願いしました。
「家族なんだから」の夫に、妻が放った一言
最初、夫は渋りました。
「いや、家族なんだからさ……。せっかくの提案だし。母さんにも広い家でゆっくり過ごしてほしいし……」
すると、あかりさんは強く言いました。
「新築のお披露目のときもお義母さんを呼んでもてなしたよね? ほとんど私が準備したんだけど。だったら私の親戚10人が年末に押しかけても文句言わないのね? あなた営業職でしょ? いつもドヤってる感じで交渉してきて。私は絶対に呼びたくないの」
ここまで言われ、ようやく夫は重い腰を上げました。義母と義妹に電話をかけ、丁寧に「今年は難しい」と説明。結果は、意外にも義妹はあっさり了承。しかし義母が予想外に渋ったのです。
電話越しに義母は涙声で訴えました。
「私だって、いつまで元気でいられるかわからないのよ。みんなで思い出を作っておきたいの……年金だって少ない中からあなたたちと過ごせると思ってお年玉も奮発したの」
「義母は普段はさっぱりしてて付き合いやすいのに義妹が絡むと急に人が変わるっていうか……。お義母さんのこういうところが苦手なんだよな……」と思いながら、居間で電話の会話をスピーカー越しに聞いていたあかりさんは、ついに割って入ります。
