「熟年離婚」は年々増加傾向
厚生労働省『人口動態統計』によると、2024年の離婚件数は約18万5千件。そのうち「同居期間が20年以上」の夫婦による離婚は約4万件にのぼり、近年はその割合がじわじわと増えつつあります。
定年退職を迎えた60代夫婦のあいだでは、「長年我慢してきた」「子どもも独立したので、ようやく自分の人生を取り戻せる」といった気持ちが、離婚を後押しするケースもあります。
背景には、「経済的な区切り」が背中を押す側面もあります。とくに、退職金の受け取りは、離婚を考えていた配偶者にとって“行動に踏み切るタイミング”と映ることがあります。
実際、婚姻期間中に形成された退職金は、原則として「共有財産」とみなされ、離婚時には財産分与の対象になります。つまり、受け取ったばかりの退職金は、法的にも“分けられるお金”と見なされるのです。
「自分としては、誠意を込めたつもりだったんですが……かえって“これからも話が合わないだろう”と受け取られてしまったのかもしれません」
そう語る佐伯さんは現在、退職後の再スタートを一人で模索しています。
このようなケースは決して珍しいものではありません。“感謝”や“恩返し”の気持ちを伝えたいなら、高価な贈り物以上に、「これまでのこと」「これからのこと」を言葉にして共有することが大切なのかもしれません。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
