今回は、インターネットを使った介護施設選びのための情報収集について、そのポイントをお伝えします。※本連載は、介護施設の専門家である齋藤直路氏の著書『はじめてでもわかる!介護施設&老人ホームのさがし方・選び方』(サンライズパブリッシング)の中から一部を抜粋し、住む介護施設の特徴や選ぶ際のポイントを紹介します。

情報が多すぎることで、迷ってしまうことも

問:介護施設関連のWebページを見る場合、どこに注目したらいいの?

 

答:運営母体と、働く職員のプロフィールです。

 

<介護施設をインターネットで検索>

情報量が多く更新が早いのがWebページです。

 

「オアシスナビ」(https://www.oasisnavi.jp

「HOME'S介護」(http://kaigo.homes.co.jp

 

などの専門サイトでは、全国の施設検索が簡単にできます。

 

また、「老人ホーム+〈地域名〉」で検索すると、多数の老人ホームの情報が表示されます。しかし、このような調べ方をすると、情報が多すぎてどれを選択すればよいか迷ってしまいます。

チェックしたい具体的なポイント

Web上で検索する際には、運営母体と職員を確認します。

 

運営母体の確認

運営母体は、民間の会社、医療法人、社会福祉法人の3つに分かれます。

 

医療法人が母体となっている施設は、病院と連携しているため治療などの面では安心感があります。

 

病院や医療機関との連携について提携と記載されているか協力と記載されているかによっても違いがあります。提携と記載されているほうがより同一グループ内の病院を利用できるなど密接な関係にあります。

 

母体となる企業が異業種から参入している場合は、元の企業の経営状態なども確認してみてください。儲けるために施設運営に手を出した会社がないとは言い切れないからです。

 

職員に専門分野があるか

職員に関しては、まず専門職の有無に注意してみてください。

 

看護師や理学療法士、ケアマネジャーなどの国家資格を持った方が何人いるかを確認します。専門家が常駐している施設のほうがリハビリなどでは信頼感を持てます。看護師が日中だけでなく、夜間も在中している施設は手厚いと言えます。

 

働く職員のプロフィールなどが掲載されているかどうかも重要です。介護施設の離職率は高く、人の出入りが頻繁です。職員のプロフィールやコメントが載っている施設は、職員の定着率が安定していてモチベーションが高い傾向にあると思っていいでしょう。

 

さらに入居者の写真が多く掲載されている施設は良いでしょう。入居者の満足度が高いことが多いからです。

 

ただし介護事業者はITが苦手でWebの更新などに力を入れていない施設もあります。パンフレットや重要事項説明書などの資料を請求してみるとよいです。

 

Webページで確認すること

●施設の所在地・最寄駅

●事業主名(主要株主、売上高)

●種別(介護付き、住宅型、サ高住)

●介護職員の数、プロフィール、専門職の有無

●入居者のコメントや写真が載せられているか?

費用に関する項目は、参考程度に留めておく

Web上で老人ホームを検索する際、やはり金銭的な面が一番気になるという方は多いのではないでしょうか

 

老人ホームに関するデータベースの大半は、希望する金額で検索をかけられるようになっています。ただし、食費やサービス費など月額費用について詳細に紹介しているサイトとそうでないサイトで差があります。

 

したがって費用を比べるのであれば、同じサイト内だけに留めましょう。また詳細に紹介しているサイトでも以下のような記載があります。

 

「居室電気代、居室水道代はご利用に応じ費用をご負担いただきます。その他、医療費(薬剤費)、おむつ代、イベント参加費などが発生します。」

 

もちろん要介護度の重さによってかかる費用も異なってきますし、入居一時金のありなしなどによる差も発生します。実際にかかる月額費用については、施設を見学した際に確認する必要があります。

定番必携 はじめてでもわかる! 介護施設&老人ホームのさがし方・選び方

定番必携 はじめてでもわかる! 介護施設&老人ホームのさがし方・選び方

齋藤 直路

サンライズパブリッシング

介護に関するよくある間違い、施設選びのチェックポイント、老人ホームの種類と注意点。誰もが初めに抱く不安を一掃! プロが教える介護と老後のための新・定番読本!

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