住民票のある地域の施設なら、入居しやすい場合も
問:入居施設は、現在の住居近くか、子の家の近くか、どちらがいい?
答:現在の家の近くが理想ですが、子が住む場所から遠いと不便なことも多くなります。
<場所から考える施設選び>
本人の暮らしか家族の見舞いか
首都圏など子が親の近くに住んでいればよいのですが、子が地方から東京に就職などで出てきているときは迷うものです。それぞれメリットとデメリットがあります。
本人住居の近く
親の家の近くの施設に入居すれば、方言や料理の味つけなども変わらず、今まで地元の知人なども訪問しやすくなります。その反面、子が施設に通う負担が発生します。
子の住居の近く
一方、子の家の近くに入居した場合、施設に通う負担は減りますが、本人の今までの人間関係が途切れてしまう恐れがあります。子の家の近くの施設にする場合は、大体30~40分で通える範囲で決めることが多いようです。
その他のメリットデメリット
多くの場合、入居者本人の現在の住居近くで探すようです。ただでさえ施設に入るという今までとは異なる生活空間に移住するわけですから、その上に環境が異なる地域に移動するのはストレスも溜まります。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などの介護保険施設では地域の住民票を持っていると優遇される傾向があるのも理由です。子が面会に行く回数はある程度、割り切る必要があります。
認知症を発症していれば、住み慣れた地域に留まるべき
自宅近くの施設が基本
認知症を発症している場合は、できるだけ長年住み慣れた地域を離れないほうが進行を遅らすことができるといわれています。認知症患者は、短期記憶の能力が衰えても比較的に過去のことは覚えているからです。
本人住居の近くの老人ホームであれば昔からの友人や知人の訪問もあります。また認知症の方が入居するグループホームも住民票のある方だけが利用できるようになっています。
専門家に相談する
もちろん、本人の症状により簡単には決められない部分もあります。医療依存度が高く、頻繁に入退院を繰り返す場合は、子が頻繁に立会人として駆けつける必要があるからです。かかりつけの医師や担当のケアマネジャーとも相談してみましょう。