(※画像はイメージです/PIXTA)

米中対立や長引くウクライナ情勢といった地政学リスクに加え、米国株のバブル懸念や欧州株の停滞など不安要素が重なり、2026年にかけても投資家心理は揺れやすい状況が続きそうです。日本国内でも政治基盤の不安定さや財政運営への懸念が残る一方で、日本株には他国と比べて相対的に有利な条件が整いつつあります。こうした波乱含みの環境下で、なぜ日本株が「投資家に選ばれる」といえるのか。塚本憲弘氏の著書『資産運用の論点2026』(日経BP)より、その背景と具体的な要因をみていきましょう。

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少数与党でキーとなる「積極財政」

5.政治は積極財政に動くか

与党はすでに少数与党の体制にあり、公明党の連立離脱によって政権基盤の不安定さはさらに強まりました。その後、高市早苗氏の下で自民党は日本維新の会との距離を実質的に縮めたものの、政権基盤の脆さそのものが解消されたわけではありません。そのため、財政・経済政策を進めるうえでは野党との協調が不可避となっています。

 

野党側では減税や給付拡大、公共投資などの積極財政路線が支持を集めており、自民党内にも「規律ある積極財政」を掲げる勢力が台頭しています。自民・維新の連立に踏み切っても、与党はなお国会過半に届かず、法案処理・予算運営では他党との調整も不可避であり、連立の枠組み自体も強固ではありません。

 

こうした構図から判断すれば、政策として支出拡大・減税に向かう方向性は回避しがたいものとなっています。

 

短期的には、拡張財政は景気刺激・企業業績・家計負担緩和を通じて市場に歓迎される面がある一方、長期的には債務の持続性や国債市場の信認を揺るがすリスクを伴います。

 

直近でもフランスでは、政治的停滞が財政再建を遅らせ、その不安が国債利回り上昇という形でコスト化しており、日本も無関係ではありません。債務膨張と統治機能への疑念が同時に表面化すれば、市場は迅速に反応する可能性があります。

 

さらに、日本の場合、積極財政へ動くとしても、主張の異なる複数の野党との調整が不可避であり、合意形成が滞れば政策の停滞そのものがリスクとなります。高市政権は維新との合意を梃子に安定化を図る一方で、政策実行段階ではなお多党間調整が不可欠であり、その流動性が基礎的不確実性として残存しています。

 

すなわち、拡張方向が「望ましいか否か」以前に、それを実行可能な政治的合意、そして市場の信認を損なわない設計が確保されるかどうかが問われており、難しいかじ取りが迫られている状況にあります。

 

 

塚本 憲弘

執行役員

マネックス証券株式会社

 

 

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※本連載は、塚本憲弘氏の著書『資産運用の論点2026』(日経BP)より一部を抜粋し、再編集したものです。

資産運用の論点2026

資産運用の論点2026

塚本 憲弘

日経BP

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