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バリキャリとして働く妻
東京都内で暮らす山下健太さん(42歳・仮名)と、妻の山下玲子さん(45歳・仮名)は、小学4年生の息子を育てる3人家族です。共働きで世帯年収は1,800万円(妻1,000万円・夫800万円)。数字だけ見れば安定している家庭ですが、日々の生活には常に緊張感が漂っていました。
その大きな理由は、妻・玲子さんの働き方にあります。
玲子さんは、外資系企業の営業部門で課長職。部下15人のマネジメントに加え、リアル会議、緊急対応、役員プレゼン……。
毎朝6時半には家を出て、帰宅は19時〜20時。昼休みもメール対応で潰れ、ジムに行く予定も半年以上キャンセル続き。出社の日は「一息つく時間はトイレだけ」と笑います。
そんな多忙な毎日のなかで、彼女は“母親としての仕事”も背負っていました。
・息子の塾の迎え
・学校の提出物の確認、塾の大量のプリントの整理
・晩ごはんのメニューを考える
・日用品の買い出し
これらはほとんど彼女が担っていました。塾の送り迎えは玲子さんの帰宅時間と息子の塾が終わる時間が重なるため「ついでに」迎えに行っているとはいうものの、家に着く頃にはクタクタです。日用品の買い出しや食事の準備も通販やお惣菜の利用などなるべく楽になるように工夫はしているものの限界はあります。
「さすがに一人じゃ無理」と、月の半分ほどは玲子さんの母が家事と子どもの世話に来てくれています。
「家に帰っても休まらないんだけど…」妻の逆鱗に触れた夫の一言
ある平日の夜。仕事を終えた健太さんが家に帰ると、リビングには今日も義母の姿が。
健太さんは気を遣ってテレビもつけられず、曖昧に笑って自室に逃げることも増えていました。
そしてある夜、ついにこぼした言葉がこちらです。
「正直……家にお義母さんがいると、落ち着かないんだよ。なんとかならない?」
その瞬間、玲子さんは箸を置き、静かに言いました。
「家事が回らないから来てもらっているのよ。お礼も払っているけど正直“気持ち程度”。あなたがもっと家事に積極的だったら、母に来てもらう回数も減るの。それでもあなたも仕事が大変だと思って今までは言わなかったんだけれど、あなたは何しているの?」
健太さんは思わず反論します。
「俺だってゴミ捨てとか、お風呂掃除とかしてるし、子どもの相手だって……」
「それ、スマホ見ながら“ついでに相手してるだけ”よね? 家事って、ゴミ捨てとお風呂掃除だけじゃないの。料理、献立、買い物、洗濯、家計、塾の迎え……全部、私。なんで家でまで夫のマネジメントをしないといけないのよ。はっきり言って、あなたは戦力外だから」
返す言葉が見つかりませんでした。
最新調査にも出ている「夫婦の認識のズレ」
このほど、マネーフォワードホームと「Oisix」が共同で行った全国の20〜40代の男女906人を対象にした「夫婦・パートナー間の家事分担に関するアンケート調査」によると、「家事の5割以上を自分が担っている」と答えた割合は、女性が約62%だったのに対し、男性は約42%にとどまりました。本来なら男女で20ポイントもの開きがあるはずなのに、家事分担を「公平」と感じている人の割合は、女性42%・男性43%とほぼ同じ。つまり、女性のほうが実際に多くを担っているにもかかわらず、男性側は“公平だ”と捉えてしまいやすい構造が浮かび上がりました。
