今回は、家系図を作るための「情報」の集め方を紹介します。※本連載は、株式会社横浜クリエイションの取締役で、日本家系図学会の理事でもある岩本卓也氏の著書、『なぜいま家系図を作るべきなのか?』(エイ出版社)の中から一部を抜粋し、家系図を作ることで、どのようなメリットがあるのかを解説します。

まずは両親、祖父母、親戚に話を聞く

家系図作りでもっとも重要なのは、いかに先祖、親族の情報を入手するか、だといえます。正確で豊富な情報さえ集まれば、家系図自体を書くことは、それほど難しいことではありません。

 

まずは、両親、祖父母、親戚の方々に話を聞きましょう。もっとも詳細で、生き生きとした情報が得られるはずです。ときには親類だけでなく、家族をよく知る方々からも貴重な情報が集まるかもしれません。二代上がおばあちゃんなので、自分にとって五代前くらいまでの、信頼できる情報が容易に入手できるでしょう。

「家紋」も家族の情報をたどるヒントに

次に着手したいのは、「戸籍謄本」「除籍謄本」の入手です。

 

まずは、自分自身が記載されている戸籍謄本を手に入れます。そこには自分の親も書かれているので、親と直系の関係にあることが証明でき、親の代の戸籍謄本を取得することができます。

 

さらに、親の戸籍謄本には、祖父母の名前が書いてあるので、自分と親の戸籍謄本を提示すれば、祖父の代の戸籍も入手できます。こうしてつないでいけば、戸籍制度ができた明治23年前以降の情報は得られるわけです。

 

江戸時代、現在の戸籍と同じ役割を果たしたものに「宗門人別帳」というものがあります。1664年に制定されたこの資料が手に入れば、先祖を今から400年ほどさかのぼることも不可能ではありません。

 

お寺さんにも先祖に関する大切な情報が残されている可能性があります。先祖の命日、戒名などが書きつづられた「過去帳」などがそれです。過去帳は、お寺さんが管理するものと、本家などが管理する二種類があるので、もしかしたらあなたの実家にも残されているかもしれません。

 

家系図とは、ある意味において「家」をたどる作業でもあります。そんなときに重要になるのが、あなた自身の名字です。

 

現在われわれが使用している名字は、明治8年(1875年)に明治政府が義務付けた政令によって始まった制度です。しかし、それ以前にも一部の特権階級の人々は、氏姓(うじ・かばね)などの形で姓を持っていました。それらが現在の名前に影響を与えていることも多く、また、もしあなたが特徴的な名字を持っている方なら、出身地域をさぐるヒントにもなりえます。

 

名前と同様、家の象徴ともいえる「家紋」も、家をたどるときには重要なヒントとなるでしょう。このように、先祖、家をたどる情報源やヒントには、さまざまなものがあるのです。

 

 

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