今回は、「家系図」があると、どのような場面で役に立つのかを説明します。※本連載は、株式会社横浜クリエイションの取締役で、日本家系図学会の理事でもある岩本卓也氏の著書、『なぜいま家系図を作るべきなのか?』(エイ出版社)の中から一部を抜粋し、家系図を作ることで、どのようなメリットがあるのかを解説します。

「自分のルーツ」が明らかになる

家系図は、自分が存在する位置を明らかにしてくれます。自分の祖父は誰から生まれ、その祖父は誰なのか。先祖が明らかになるということは、自分のルーツが明らかになることです。数多くの先人がいて、いま自分がいる、そんな確認作業のための手段として、家系図は作成されます。

 

また、自分を取り巻く親類縁者との関係が、家系図を書くことで明確になるでしょう。祖父の兄弟の名前を、正確に覚えている方は、意外とすくないかもしれません。

 

おじさんの名前を書けるでしょうか? いとこの子供の名前を思い出せますか? 孫たちの名前でさえ、おじいちゃんには覚えるのが大変かもしれません。そうした親類縁者を明確にしておく手段としても、家系図は役立ちます。

 

現在の親族を網羅した家系図は、やがて子供や孫たちにとっても貴重な資料となるはずです。自分にとって五代前の先祖はわからないかもしれませんが、いまあなた自身が家系図を作成しておけば、子供にとっての五代前、孫にとっては六代前までの先祖が、明らかになるわけです。

 

昔の家族や親戚は、今よりも密接な関係であったように思います。しかし家族という単位は小さくなり、家族や親戚の絆やふれあいも薄くなる傾向にあるといえます。そうした環境の変化の中で、自分がどこに根ざしているのか、どんな関係性の中で生きているのかを、家系図作りを通して再確認できるのです。

 

遺産相続から病気の予防まで・・・幅広い活用法

家系図は名前を列挙するだけではありません。先祖の命日や、孫の誕生日を書いておけば、法事やお祝いの防備録としても活用できますし、パソコンを使って家系図を作成すれば、当人の写真を添えることも可能です。

 

こうした情報をしっかりまとめている方は、意外と少ないものです。親類が集まる機会などに配れば、みなに喜ばれるはずです。

 

また、家族の誰かが亡くなったときの、遺産相続などにも役立つかもしれません。ちょっと複雑な親族環境であれば、正確に作成された家系図は、より効力を発揮するでしょう。

 

ちょっと変わった家系図の活用法としては、病気の予防が挙げられます。とくに直系の血族の死因を書き添えていけば、自分がどんな病気にかかりうるか見えてくる可能性があるわけです。

 

家系図を作成する動機も利用法もさまざまあり、家系図のカタチもさまざまです。どんな家系図を書くべきか。ぜひあなたが書く家系図をイメージしながら、読み進めてみてください。

 

なぜいま家系図を作るべきなのか?

なぜいま家系図を作るべきなのか?

岩本 卓也

エイ出版社

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