今回は、「姻族の呼び名」について見ていきましょう。※本連載は、株式会社横浜クリエイションの取締役で、日本家系図学会の理事でもある岩本卓也氏の著書、『なぜいま家系図を作るべきなのか?』(エイ出版社)の中から一部を抜粋し、家系図を作ることで、どのようなメリットがあるのかを解説します。

姻族の呼び名を知らないと、家系図作りで苦労する!?

ここでは、配偶者側の姻族の呼び名を見てみましょう。以下の図表は、民法上の「3親等以内の姻族」にあたる主な方々を表記してあります。

 

 

親族の呼び名にはさまざまありますが、その言葉の定義、つまり親族の誰のことを指しているかをしっかりと把握している方は、意外と少ないかもしれません。このことが家系図を作るための取材をする場合に、ちょっとした弊害を引き起こすことがあります。

 

たとえば、自分の弟のお嫁さんは「義妹(ぎまい)」といいますが、配偶者の妹も同じく「義妹(ぎまい)」と呼ぶことができます。

 

自分を中心とした関係であれば、その両者は直感的に差別化できますが、それがたとえば「大伯父(おおおじ)」を主とした話であれば、その二人の女性の存在位置はピンときませんね。大伯父がふと口にした義妹を取材中に誤認して、その後、家系図を作るときに間違ったり、架空の人物を追い続けることになるかもしれません。

 

ということで、この本においておススメしたいのは、自分からみた配偶者側の親族には極力、「義理の」をつけるという方法です。

 

「義父」「義祖母」などは、配偶者側の親族に特有の呼び名ですが、「義理の妹」は、どちらにも存在します。この場合は、自分のほうは「兄嫁(あによめ)」「弟嫁(おとうとよめ)」などと呼び、配偶者のほうは「義理の妹」と呼びわけるのです。これで家系図を作成するときのさまざまなシーンで混同を避けることができるはずです。

自分の配偶者の姻族は、民法上の親族ではない

この表から学ぶことがもうひとつあります。前回紹介した家系図では、自分側の親族を表記してありましたが、そこには、弟の嫁とか、おじの配偶者など、婚姻によって親族となった姻族が含まれています。

 

しかし、配偶者側の親族を表した上の図表には、そうした配偶者は出てきません。つまり、自分の配偶者の親族(自分にとっての姻族)の、婚姻による関係者(姻族)は、自分にとっては親族ではない、ということです。

 

もっと縮めていうと、自分にとっての姻族の姻族は、民法上では、自分にとっての親族ではない、ということになるわけです。ややこしいですね。

 

でも、家系図を作るうえでは、そうしたルールは基本的にありません。姻族の姻族と同級生だった、だからその関係図を描きたい、そんな動機で家系図を作りはじめることは十分にありえます。逆に、そうした関係性の広がりをカタチにすることにこそ、家系図作りの醍醐味があるといえるかもしれません。

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