本連載は、株式会社横浜クリエイションの取締役で、日本家系図学会の理事でもある岩本卓也氏の著書、『なぜいま家系図を作るべきなのか?』(エイ出版社)の中から一部を抜粋し、家系図を作ることで、どのようなメリットがあるのかを解説します。

ご先祖をたどる情報源――「除籍簿」が破棄される!?

家系図を作成するのに欠かせないモノの筆頭に、戸籍簿や除籍簿が挙げられます。戸籍簿は、記載された家族が、死亡、婚姻などによって誰もいなくなったとき、除籍簿と名前を変えますが、このご先祖をたどる貴重な情報源である除籍簿が、すでに一部は破棄された可能性があり、これから先も、破棄される運命にあるのです。

 

1930年以前の除籍簿は、市役所等の判断で破棄可能…

いま現在施行されている戸籍法には、「除籍簿は、それを管理する地方自治体が150年間保存する義務」があると明記されています。しかしその法律が改正される2010年以前では、その保存期間は「80年」でした。つまり、2010年時点において、1930年(昭和5年)以前の除籍簿は、市役所や役場の判断で破棄してもよい状態だったのです。

 

いま私たちが役所で入手できる最古の戸籍は、1890年(明治23年)からのものです。それから41年間の親族の資料が、すでにごっそり破棄されたかもしれません。

 

平成に入ると、「平成の大合併」が行われ、多くの市町村が合併しました。この際に、庁舎も統合され、それまでのさまざまな資料、古書が廃棄処分された可能性も否めません。

 

家系図を作成しておきませんか? 法律が改正されなければ事態は変わらず、2040年からは、また除籍簿の破棄が始まります。人との「絆(きずな)」が叫ばれ、家族を再認識されるいまこそ、家系図が重要な意味を持つに違いありません。

 

なぜいま家系図を作るべきなのか?

なぜいま家系図を作るべきなのか?

岩本 卓也

エイ出版社

近年、家系図に多くの方々が注目しています。家系図作りに欠かせないのが、戸籍謄本や除籍簿といった公的な資料ですが、除籍簿は80年を過ぎると、それを管理する地方自治体の判断によって破棄することが法律で許されており、今…

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