(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親と中高年の子が同居する「親子ふたり暮らし」の世帯。経済的な事情や介護への備えから同居を選ぶ家庭もある一方で、日常の些細な衝突や精神的な負担が積み重なり、「距離を取る」決断に至るケースも少なくありません。

「一緒に住み続けるのは、もう無理かもしれない…」

「母にとっては“裏切り”だったかもしれません。でも、私だってもう限界でした」

 

そう語るのは、神奈川県在住の会社員・井上理恵さん(仮名・47歳)。大学卒業後から20年以上、都内の中堅メーカーに勤務しています。年収はおよそ480万円。決して高収入ではありませんが、自分ひとりが暮らすには十分な額です。

 

理恵さんは独身で、これまで実家で77歳の母・久子さん(仮名)と二人暮らしを続けてきました。父は10年前に他界し、兄弟姉妹はおらず、親の老後を支えるのは彼女ひとり。母は年金月14万円の一人暮らし世帯で、要介護認定は受けていないものの、足腰が弱く、近所の病院や買い物の付き添いが必要でした。

 

「週末は病院に連れて行って、平日は仕事から帰ると洗濯、ゴミ出し、薬の管理。正直、自分の時間はありませんでした」

 

きっかけは、ある冬の夜の出来事でした。

 

「夜9時過ぎに帰宅したら、母が“トイレットペーパーがない!”と怒鳴ってきたんです。疲れていた私は思わず、“じゃあ自分で買ってきてよ!”と怒鳴り返してしまって…」

 

その瞬間、母は何も言わずに俯き、夕食も手をつけずに部屋に戻っていったといいます。罪悪感でいっぱいになった理恵さんは、その夜ベッドで涙が止まりませんでした。

 

「このままではお互いに壊れてしまう。介護の前段階で、こんなに追い詰められるとは思っていなかった」

 

介護保険制度では、要介護認定がない限り、日常的な付き添いや家事代行への支援は限定的です。厚生労働省の調査によると、要支援・要介護の認定を受けていない高齢者でも、子どもなど親族による“非公式なケア”が日常的に行われており、40〜50代の単身女性にその負担が集中する傾向にあります。

 

理恵さんのようなケースは、いわゆる“ケアラー”に該当します。ケアラーとは、家族や身近な人に対して無償でケアを担っている人を指す言葉で、法的支援制度は未整備のままです。心身の疲労だけでなく、キャリアや結婚など将来設計に影響を及ぼすケースも少なくありません。

 

「母が要介護状態になれば、訪問介護などを頼める。でも“その一歩手前”だからこそ、全部が私の肩にのしかかっていたんです」

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページ別居後も「娘としてできること」はある
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録