(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親と同居し、親の年金に生活の大部分を依存していた中高年が、親の死をきっかけに困窮状態に陥るケース。とくに就職氷河期に社会に出た「ロスジェネ世代」は、非正規雇用や低収入のまま年齢を重ね、貯蓄も乏しく、単身では生活を維持できない人も少なくありません。親の死とともに支えを失い、家計が一気に崩壊する──その実態を、ある女性のケースから見ていきます。

制度の“狭間”でこぼれ落ちる人たち

香織さんのようなケースでは、「住民票や名義が親のまま」「相続未登記」「資産評価で保護対象外」といった理由で、生活保護などの支援制度の適用が難しいことも多く、支援を受ける前に孤立してしまう人も少なくありません。

 

「正直、“なんとかなるだろう”と思っていたんです。でも、父が亡くなったその日から、“何もかもが止まる”現実を突きつけられました」

 

香織さんは現在、清掃とスーパーのレジを掛け持ちし、なんとか月収14万円を得ています。家も相続登記を終え、ようやく公的な支援についても再相談する段階に来たと話します。

 

「もう親はいない。でも、自分の人生はまだ終わってない──そう思って、ようやく動き出せました。私のように“自立のタイミングを逃してきた人”は、きっと他にもいると思います」

 

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