(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資をする際に物件選びは、当然ながら重要になります。ただ、一口に“いい物件”といっても、都市部や地方などのエリアによってその基準は異なります。では地方戸建て物件に投資する場合、どのような条件で選定すればよいのでしょうか。本記事では、宮崎俊樹氏の著書『空き家は使える!戸建て賃貸テッパン投資法 2ndエディション』(技術評論社)より、地方戸建て投資家が購入したほうがいい物件、そうではない物件の判断方法について紹介します。

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投資家が手を出すべき「テッパン戸建て物件」の特徴

最後に、地方戸建て投資家が手を出す物件、出さない(ほうがいい)物件についてまとめます。まず、戸建て賃貸の主なターゲットはファミリーです。彼らにとって手狭な1LDKや2LDKは避けたほうが賢明といえます。コロナ禍以降はテレワークが一般化したため、仕事部屋が必要になるケースも増えています。先ほどお話ししたように、3LDKや4LDKの広めの間取りが好まれる傾向にあるでしょう。

立地条件は、都市部とは違って駅からの距離はそれほど重要ではありません。むしろスーパーや学校、幹線道路にアクセスしやすい場所が好まれます。とくに学校が近いことはファミリー層にとって大きなプラスです。

駐車場を2台分以上確保できる物件は、地方ではとても高い評価を受けます。地方はどこも車社会ですから駐車場の広さが入居の決め手になることも少なくありません。

そして絶対に忘れてはいけないのが清潔感。とくにお風呂、キッチン、トイレという水回りの清潔感は賃貸が決まるか決まらないかを大きく左右します。家庭での決定権を持つことが多い女性がとくに重視するポイントですね。清潔感がなければどれだけ条件がよくても賃貸は決まらない、くらいに考えてよいと思います。つまり、リフォームやメンテナンスには力を入れなければいけないということです。

番外編としては、俗にいう「ポツン物件」も一部の人たちに人気があったりします。周囲に何もない“孤立した”物件です。賃貸需要も何もなさそうに見えても、なかにはプライバシーを最重要視したい人もいて、そういう志向の人たちには好評なのです。とくに庭や駐車場に十分な広さがあるとポツン物件の魅力はさらに高まります。

利回り20%オーバーでも買わない物件 

不動産投資をしたい人にとって一番気になる数字は利回りでしょう。筆者の基準は実質利回りで15%以上です。ただし、それを上回って20%以上を狙えるとなってもなかには手を出さない物件もあります。

1つ目は自宅から遠く離れた物件。筆者は基本的に、遠方物件は利回り20%以上でも購入しません。物件まで片道2時間としたら往復で4時間、現地での作業時間を加えると1日がかりになってしまいます。単純に遠方物件のすべてを切って捨てているわけではなく、賃料が高く時間と労力に見合う収益が見込めるのなら考慮に値しますが、それでも何度も訪れる必要がある物件であれば、その負担はかなりのものになります。

そういう意味でDIYを考えている人には遠方物件はおすすめしません。DIYは繰り返し物件に足を運ぶ以上、そこでかかる時間と労力も含めて考えると投資効率がとても悪くなってしまいます。

また、筆者は利回りが高かったとしても賃料が安すぎる戸建ては購入しません。なぜかというと、賃料が安いと修繕費用の回収に時間がかかるから。つまり、家賃に占める修繕費率が高くなってしまうことが理由です。

賃料が3万円でも10万円でも、修繕にかかる費用はそれほど変わりません。大家には修繕義務があります。賃料が安いから修理しないという選択肢はありません。賃料3万円の物件が高い利回りを示していても、実際には修繕費の割合が高くなってしまい期待ほどの収益が出ないことがよくあります。

手を出すかどうかを測るモノサシは利回りだけではありません。自分の時間、労力、物件の資産性、残存耐用年数(※4)、キャピタルゲイン(売却益)……。利回りが大切なのは間違いありませんが、経験を積んだ戸建て投資家は利回りだけにこだわって手を出すことは決してしません。
 

※4 残存耐用年数

建物や設備が法的に、または経済的に使用できるとみなされる期間のこと。耐用年数は税務上定められたもので、減価償却の計算基準となる。たとえば木造物件の耐用年数は22年、RC造の物件の耐用年数は47年と定められている。残存耐用年数は、築年数や建物の状態を踏まえて、現時点で今後どれだけ使用可能かを示す期間。資産価値や融資審査に影響を与える要素の1つ。

 


宮崎 俊樹
不動産投資家
サーファー薬剤師

 

 

 

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※本連載は、宮崎俊樹氏の著書『空き家は使える!戸建て賃貸テッパン投資法 2ndエディション』(技術評論社)から一部を抜粋、編集したものです。

空き家は使える!戸建て賃貸テッパン投資法 2ndエディション

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