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230万円の平屋はスーパー高利回り物件
「230万円の平屋」は筆者にとってのはじめての物件で、不動産業者をやっている友人から紹介してもらいました。それまでも共同出資による転売など不動産に関わったことはあったのですが、賃貸用の物件を所有するのはこれがはじめてでした。
長い間空き家状態でしたが、内見すると室内は思いのほかしっかりしています。破風板(はふいた)の塗装はハゲていましたが、外壁塗装の必要はありませんでした。駐車場スペースが十分すぎるほどあって、3台は停められそうです。
内見後、すぐに地場の不動産管理会社にいくらで貸せそうかヒアリングしました。管理会社は、この物件なら賃料6万5000円はいけるんじゃないかといいます。物件価格が230万円ですから、賃料6万5000円だったら表面利回り33%です。即、現金買いを決断しました。
この物件の問題点はお隣の竹藪がうっそうとしていて日当たりがよくないことです。隣地にお住まいの方と交渉して竹藪を刈らせてもらうことになったのですが、途中で「もうこれ以上はストップ!」とお達しが入って中断。結局日当たりは改善されないままで、草刈りに費やした23万円もの費用を無駄にしてしまいました。
室内がしっかりしていた分、内装リフォームは一部のクロスの貼り換えや畳の表替えだけで済み、かかったコストは30万円ほど。竹藪の出費さえなければ、かなり安く仕上がっていました。
リフォームが終わり、最終的には5万8000円で賃貸の募集を出すことにしました。敷金・礼金ともにゼロでペット可の条件にしたところ、募集後1カ月で入居が決まりました。
100万円値引きしてもらった競合皆無の一人勝ち物件
不動産投資ブームのあおりなのか、地方の戸建てでも物件価格が高騰気味でなかなかよい物件が出てこない。よい物件があったとしても即日に買付が入って買うことができない。そんな状態にあるときに出会った物件でした。趣味のサーフィンの帰りに、以前からおつき合いさせてもらっている不動産業者さんをフラッと訪ねたときのことです。
社長 「あら〜久しぶりー元気ー?」
いつも快活な女性社長が気さくに話しかけてくれます。
筆者 「お久しぶりです。サーフィン帰りに立ち寄ってみました」
社長 「あんたサーフィンなんて寒くないの〜」
ひとしきり挨拶と雑談をかわしたあとに本題を切り出します。
筆者 「社長、いい物件ありませんか? 戸建ても値段が上がってしまっていいのが見つからないんですよ」
社長 「あんた、あるわよ1軒。ちょっと見てきなさいよ」
筆者 「ホントですか? ぜひ!」
そのまま見学に向かいます。
役所や病院、幼稚園が徒歩圏内にある好立地の物件でした。そして何よりいいのは物件の近隣に賃貸物件がほぼないこと。不動産ポータルサイトで検索しても賃貸物件は1件しかヒットしませんでした。
室内はリフォーム済みで、そのまま賃貸に出せそうな状態です。ただし、物件価格が450万円と筆者の基準からするとやや高めでした。この価格で買ってしまうと目指す利回りに届きません。
筆者 「社長、350万円じゃダメですか?」
社長 「じゃあ売主さんにちょっと聞いてあげる」
数分後、電話がかかってきました。
社長 「社長がいうならしょうがないっていってくれたわよ。あんたよかったわねー」
筆者 「ありがとうございます!」
社長は以前からこの売主さんとつながりがあるようで、相当にキツめの指値(※1)でしたが通してもらうことができました。いい物件を買うには業者さんとのおつき合いがモノをいうとよくいわれますが、まさにそのことを実地で学ぶ訪問となりました。
※1 指値(さしね)
売買にあたって買い手が値段を指定すること。また、指定された値段のこと。売値よりも低い価格で買付を入れる際に指値ということが多い。売値と同額で買付を入れる場合は「満額で買付を入れる」といい、売値よりも高い値段で買付を入れる場合は「買い上がり」という。単に安くしてほしいという理由でむやみに指値を入れると売主や仲介業者に煙たがられることがある。指値をする場合は、明確な根拠を買付証明書に明記することが基本。


