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戸建て投資の「軍資金」はズバリいくら?
多くの方が気になる、戸建て投資をする際の「自己資金」の話をしたいと思います。不動産投資のための軍資金は人によって異なります。少なくて済む人もいれば、想像以上に現金が必要になる人もいるでしょう。
軍資金が少なくて済む人というのは自分の力でリフォームができる人です。リフォームや内装関係の仕事に就いている人やDIYがそれなりにできる人が該当します。このような人が自己資金が少なくてもいいのは、俗にいうボロ戸建て投資(※1)で利益を出せるからです。
※1 ボロ戸建て投資
築年数が古く、劣化や損傷が目立つ戸建て物件(いわゆる「ボロ物件」)を低価格で購入し、リフォームやリノベーションによって再生させ、賃貸や転売を通じて利益を得ること。少ない資金で始めやすいメリットがある。また、リフォームの程度によっては物件価値が大幅に上がり、高い利回りを得られる可能性もある。ただし、物件の状態によっては修繕コストが予想以上にかかるリスクがあり、購入前の調査が重要となる。
不動産投資系インフルエンサー・エリックさんが実践しているのがまさにこの手法です。物件を「5万円」などとんでもない額で購入し、それをリフォームして貸し出しています。このような手法が成立するのはエリックさんにリフォームの心得があるからです。
もし5万円のボロ戸建てを業者発注でリフォームしようと思えば、軽く400〜500万円は飛んでしまうでしょう。それだったら普通に売られている物件を買ったほうが割安ということになってしまいます。ですので、リフォームを自分でできるという条件ありきになります。
ちなみにエリックさんは、じつはそこまでDIYは得意ではないそうです。じゃあ何で成立するのかというと、彼の周囲には投資家仲間がうんといるのが理由になります。エリックさんのまわりにはDIYに覚えのある投資家仲間が大勢いて、彼らの力も借りることでボロ戸建て投資ができているというカラクリです。
もう1ついうと、これから不動産投資をやろうという人のところに5万円の物件の話なんて絶対に回ってきません。業者も5万円の物件を売ったところでほとんど利益はないですし、そのような物件を素人に回すのはトラブルのもとですから紹介してくれることはまずありません。ですので軍資金が少なくても始められる人というのはかなり限定されてしまいます。
では逆に軍資金がたくさん必要になるのはどんな人かというと、それは融資が引きにくい人です。たとえばサラリーマンで安定的な給与所得がある人は個人の与信を担保にして融資を引くことができます。安定感抜群の公務員や東証プライム上場会社の社員などは当然、融資が出やすいです。
融資が出にくいのは“不安定”と思われてしまう人になります。たとえば派遣社員やパートタイマー、そして個人事業主や会社経営者なども不安定な職種と考えられてしまいます。融資が出にくい人は物件購入費からリフォーム費用まですべて自分で賄わなければいけません。そのため、自己資金が膨らみます。ロットの小さな戸建て投資であっても初期費用からリフォームまでトータルで考えれば500〜600万円はないと厳しいと思います。
先ほどの“安定”な公務員やサラリーマンなら与信を担保に融資を引けるのでそこまでの自己資金は必要ありません。ただし、ある程度のキャッシュを持っていなければ金融機関は融資をしてくれません。戸建て物件に融資を引くなら少なくとも300万円は必要だと思います。
