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中小企業が海外展開する場合、製品開発と販路開拓が高いハードルとなるわけだが、そのニーズに的確に応えているのが、ドイツの「産業クラスター」である。産業クラスターとは、地域の企業、大学、研究機関、産業支援機関などが連携・協力し、技術やノウハウなどを相互活用して、新産業・新事業を生み出す仕組みを言う。
日本には残念ながら、中小企業のこうしたニーズに応える仕組みはほとんどない。中小企業の振興育成は、系列傘下であれば親企業任せであり、系列以外であれば、企業が独力で頑張るケースがほとんどだ。国・地方自治体は予算を付けることしかしていない。
1990年代末、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が「産業クラスター」を提唱し、2000年頃に世界中に普及した。日本でも国費約1500億円を投入し実施しようとしたが、残念ながら、ほとんどの地方で失敗した。
ドイツの地方政府は、中小企業振興策として産業クラスターを積極的に導入し、ドイツ全体で産業クラスターが普及した。ドイツ国内には恐らく数百の産業クラスターが存在すると思われる。ドイツは世界の中で最も産業クラスターが成功した国とされている。
ドイツ型産業クラスターの考え方は、「中小企業は1社だけでは弱い存在であるが、他の企業・機関と組むことで、自社が不得意とする機能を補えば、擬似的に大企業と同等の競争力を得ることが可能であり、産業クラスターはそのための場を与える」というものである。
