(※写真はイメージです/PIXTA)

少子化や都市部への人口集中が進む中で、地方の“実家”に取り残される中高年が増えています。中でも、バブル崩壊後の就職氷河期に社会に出た「ロスジェネ世代」は、親の介護や非正規雇用の影響で生活基盤を築けず、今も「実家に住み続けるしかない」状況に置かれる人も少なくありません。その背景には、家族との断絶、老朽化した住環境、経済的困窮、そして孤独の影があります。

誰にも相談できず「ただ静かに年を取っていく」

兄弟に助けを求めることは考えていないのか――。そう尋ねると、森田さんは少し笑って首を振りました。

 

「兄も姉も、それぞれの家庭で手一杯だと思います。今さら頼るなんて無理です。もともと仲が良かったわけでもないし…」

 

現在は生活保護の申請も検討中ですが、「手続きが大変そうで」と、最寄りの福祉事務所にも行けずにいます。

 

厚生労働省の「生活困窮者自立支援制度」では、住宅確保給付金や就労準備支援といった支援策もありますが、高齢に差し掛かる氷河期世代の中には「申請手続きへのハードル」や「制度そのものを知らない」人も多くいます。

 

また、孤独・孤立対策推進法(2024年施行)では、国や自治体が地域での支援体制を整備することが義務付けられましたが、実効性はこれからが問われる段階です。

 

森田さんは最後に、こんな言葉を口にしました。

 

「毎日特に何もなく、カレンダーをめくるたびに“また1ヵ月終わったな”と思うだけです。アルバイト以外で誰かと話すのは、電気やガスの点検の人が来たときくらい。まあ、それも年に数回だけですけどね」

 

家の中には母が使っていたベッドや仏壇がそのまま残っており、「片付けられないまま何年も経ってしまった」と言います。

 

静かな家、古い柱、そして誰にも気づかれない孤立。氷河期世代が迎えつつある“老いの現実”は、すぐそばに迫っています。

 

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