老後資金と移住リスクの“見えにくい落とし穴”
移住そのものにリスクがあるわけではありません。しかし、住み慣れた環境を離れることの影響は想像以上に大きく、特に高齢者にとっては心身への負担が増す可能性もあります。
さらに、古民家は「固定資産税が安い」「物件価格が格安」といった利点がある一方で、維持費や断熱対策などの“隠れたコスト”が大きく、年金生活には重荷になるケースもあります。
「薪割りはこれからどんどん負担になるんじゃない?」「また倒れたらどうするの?」――彩子さんは訪問後、両親と何度も話し合いを重ねました。
数週間後、母から一通のLINEが届きました。
「あなたの言う通りかもしれない。もう少し町に近いところに引っ越そうかしら」
今は少しずつ、新しい物件探しを始めているといいます。
田舎暮らし・古民家移住は、確かに心を惹かれるライフスタイルです。しかし、「健康状態」「気候・設備」「病院・インフラの距離」「生活費の見通し」など、冷静な下調べと家族との共有が不可欠です。
「老後の夢」には責任が伴います。快適さだけでなく、安全性や将来の介護も視野に入れた暮らしの設計が求められる時代です。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
