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「1人は寂しいから」とはいったけれど…
夫に先立たれたAさん(81歳)。年金は自身のものと、遺族年金を合わせ年額210万円(月額約17万円)あります。住宅ローン完済済みの戸建てで一人暮らしをするには、十分な額のはずでした。
Aさんには息子と娘がいます。2人とも、本来なら独立した生活をしているはずの年齢ですが……。
49歳の息子は、亡くなった父の介護のために介護休業制度を使いましたが、両立が難しく早期退職。その後、介護は終わりましたが、再就職できずにいます。46歳の娘は就職して一人暮らしをしていたものの、勤めていた会社で人間関係がうまくいかず、仕事を辞めて実家に戻ってきました。その後、派遣で働いた時期もありましたが、現在は定職に就くことなく部屋でゲーム三昧の生活を続けています。
夫が亡くなった直後、Aさんは1人取り残されたように感じ、子どもたちが家にいることに安心感を覚えていました。いまは働いていなくとも大丈夫と、一緒に暮らすことで寂しさを紛らわしていたのです。
しかし、一家は非課税世帯ではあるものの、親子3人で年金だけで生活するには、光熱費や水道代、スマホ代等、どれだけ節約しても足りません。子どもたちの年金は免除申請し、消費支出を抑えてもなお、夫が残してくれた貯蓄を少しずつ切り崩す日々が続いていました。
5年間の「親子依存」が生んだ、歪んだ当たり前
夫が亡くなって5年。2人の子どもは働くことなく、親の年金に依存した生活を送っています。親子の依存関係が5年も続くと、それが当たり前になり、息子と娘はAさんの年金をあてにし、Aさんは孤独感や寂しさもなく、「これでよかった」とまで思うようになっていました。
ところがある日、事情を知る親戚から「老後破産や引きこもりの番組をみたけれど、Aさんの家は大丈夫?」と心配されます。「大丈夫よ」と答えつつ通帳をみてみると、毎月10万円ほど貯蓄を切り崩し、時にはボーナスのように30万円を引き出す月もある状態。ついに、夫が遺してくれた貯蓄は1,000万円を切っていました。
危機感を覚えたAさんは、子どもたちに「ずっと家に居てもいいけれど、アルバイトやパートでもいいから、少しずつ働きはじめてはどうだろうか」と話します。すると、息子は「介護してたから再就職する機会を失ってしまった。自分のせいではなく仕方ないことだ」といい、娘は「いまさら働いて、また嫌がらせを受けたらどうするの」といいます。
Aさんは、しだいに働けるのに働かない子どもたちに違和感を覚えるようになり、この状況をなんとかしてほしいと、訴えますが、2人に働く気配は一向にありません。
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