施設に入る前に、“人生の整理”をしたかった母の気持ち
澄江さんは翌日、予定どおり施設に入所しました。入所後は環境の変化で少し混乱する場面もあったそうですが、スタッフとの信頼関係ができはじめ、少しずつ落ち着きを取り戻しているといいます。
「正直、親の死について考えるのは辛い。でも、母が“最後のお願い”として託してくれたことで、逆に心の準備ができた気がします」
和也さんは現在、その封筒と手紙を大切に保管しており、同時に自分自身も「エンディングノートを用意しておこう」と考えるようになったそうです。
人生の終わりをどう迎えるか――それは年齢に関係なく、誰にとっても重要なテーマです。介護施設入所や終末期のタイミングでこそ、親と子の間で「想い」を伝え合う機会が生まれることもあります。
「これが最後のお願い」
そう託された封筒には、金額以上の意味が込められていました。準備とは、誰かに“迷惑をかけないため”だけでなく、“安心して任せるため”の行為なのかもしれません。
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