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離婚のきっかけは「旅の価値観の不一致」
東京都内で暮らす大島真帆さん(40歳・仮名)は、フリーランスの翻訳者で年収は500万円ほど。3年前、友人の紹介で知り合った5歳年上の夫と結婚しました。夫はコンサルティング企業に勤め、年収は約1,500万円。子供はいませんが、お互いの趣味は旅行で夏と年末年始には国内の温泉や海外旅行に行く生活。結婚生活に不満は一切なかったといいます。
しかし、ある日の夕食後、真帆さんは突然こう切り出しました。
「離婚したいの。もう、価値観が合わないの」
夫は耳を疑いました。「どういうことだ? この前、一緒に旅行に行ったばかりじゃないか」
真帆さんの趣味は海外旅行です。学生時代はバックパッカーとして世界各地を巡り、現地の人と話したり、屋台のご飯を食べたり、路地裏を散歩したり……そんな「その土地の空気を感じる旅」を愛していました。
結婚後も、夫も旅行好きということで、2人は年に数回、海外へ出かけていました。ただし、宿泊先はいつも世界中に展開する五つ星ホテル。滞在中の快適さは申し分なかったものの、次第に真帆さんは物足りなさを感じるようになったといいます。
「この前も中央アジアのある国にある五つ星ホテルに泊まったんですが、確かに高級で素晴らしいホテルでした。でも、ふと『あれ? ここは六本木かな?』って思ってしまって。せっかく異国にいるのに、どこに行っても同じ空気の中にいる気がしてしまうんです」
一度、真帆さんが選んだインドネシアのバリ島にある小さなヴィラに泊まったときのこと。
部屋も居心地よく、アットホームな宿で真帆さんは大満足だったのですが、夫は「やっぱり星が一個少ないといつものホテルのようにはいかないね」とコメント。真帆さんは現地の人におすすめのレストランを聞いたり、街を歩いてローカルフードを楽しんだりしようとしましたが、夫は興味を示さず、スマホばかり見ていたそうです。
「せっかく一緒に来たのに、全然心が通っていない気がしたんです」と真帆さんは語ります。
夫が高級ホテルにこだわるのにはある理由があります。以前、モロッコを訪れた際、屋台で食事をしてお腹を壊してしまったのです。それ以来、夫はますます“安全第一”主義になり、高級レストラン以外には行きたがらなくなりました。
「彼の気持ちはもちろんわかります。でも、私にとって旅の醍醐味は“未知との出会い”なんです。安心だけを求めていたら、何も発見できません」
それならと一人旅を提案しても、「危ないから一緒に行く」とついてくる夫。結局、真帆さんは結婚以来、一人時間を持つこともままならなく、次第に夫との結婚生活自体にストレスを感じるようになってしまったのです。
「夫は私のことを心配してくれているんだと思います。でも、普段、ちょっとした外出でもLINEで頻繁に連絡が来るたびに、『私は誰かの“保護対象”として生きているのかもしれない』と感じてしまうんです」
