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「豆乳もち」も特徴が分かりやすい名前で人気獲得
商品をヒットさせるうえで、ネーミングは非常に重要な要素です。もちろん、魅力的で伝わりやすい名前を思いつくのは簡単ではありませんが、私たちは一貫して「商品特徴が直感的に伝わること」を意識して名づけを行ってきました。その姿勢が功を奏し、いくつかの商品がヒットへとつながりました。
濃い豆腐は、その代表的な商品でもあります。濃い豆腐はもともと違う商品名だったのですが、ある日、スタッフから「商品の特徴を最もストレートに表現する『濃い豆腐』という名称がいいのではないか」と提案があり、その意見に賛同して商品名を変更しました。すると、変更直後から取引先からの注文が大幅に増加し、ネーミングの効果を実感することになったのです。
「豆乳もち」も、ネーミングの工夫によって人気を獲得した商品の一つです。その名のとおり、もちもちとした食感が特長であり、その魅力が端的に伝わる名称が支持されました。実はこの商品、もともとは佐賀県の郷土料理である「呉豆腐」がベースになっています。呉豆腐は、にがりで固める通常の豆腐とは異なり、豆乳にでんぷんを加え、加熱しながらゆっくりと練り上げることで独特の弾力ある食感を生み出す伝統食です。胡麻豆腐の胡麻の代わりに豆乳を使ったもの、というと分かりやすいかもしれません。
呉豆腐という呼び名は主に有田焼で有名な有田地域で使われていますが、かつては「笹雪」とも呼ばれ、佐賀県全域で親しまれてきたものです。食べ方も地域によってさまざまで、酢味噌を添えたり、揚げ出し豆腐にしたり、お吸い物に加えたりとバリエーションがあります。私の実家でも、物心ついた頃にはすでに日常的につくられていました。ただ、当時は酢味噌で食べるのが一般的で、酸味が苦手だった私はあまり好きではありませんでした。
そして約30年の時を経た2010年、嬉野店のオープンに際し、温泉湯豆腐に続く商品を模索するなかで、当時の企画会社からあることを提案されました。それは、呉豆腐が黒蜜や黄粉こと非常に相性が良くデザートとして商品化してはどうかという内容でした。そこで、従来の呉豆腐をさらに弾力ある食感に改良し、デザートとして提供できるようにしたのが「ぷるるん呉豆腐(黒蜜・黄粉付)」です。
商品の評判は上々で、一定の売上もありましたが、やがて「呉豆腐」という名称では商品イメージが伝わりにくいのではないか、という声が社内で上がるようになりました。佐賀県内では通じる名前でも、県外のお客様にはなじみが薄く、商品特徴が伝わりにくかったのです。当時、九州各県はもちろん九州フェアなどで関東・関西のスーパーでも取り扱われることが多かったため、より分かりやすく伝わるよう「豆乳もち」と改名しました。この名称変更をきっかけに、「濃い豆腐」と並んで卸売でも人気商品として成長していきました。
なかでも、生協での販売は非常に好評でした。「濃い豆腐」や「豆乳もち」といったシンプルで分かりやすい商品名に惹かれて購入したお客様が、実際に味を気に入り、リピート注文につながるケースが増えていったのです。その結果、生産が追いつかないほどの人気商品となりました。特に「濃い豆腐」は爆発的な売れ行きを見せ、「豆乳もち」も新感覚の和風デザートとして多くのファンを獲得しました。これら2商品のヒットにより、2012年・2013年は前年比120~140%の成長を記録し、2010年・2011年の減収を見事に挽回することができました。
なお、豆乳もちは現在、黒蜜黄粉のほかに「抹茶蜜抹茶黄粉」「みたらしたれ」「つぶあん」の計4種のフレーバーで楽しめるようにし、嬉野店や2022年に出店した武雄温泉本店の物販でも大人気です。また、嬉野店の飲食スペースとテイクアウトで提供し、温泉湯豆腐と並ぶ名物になっている「平川屋パフェ」のベースにも豆乳もちを使用しています。
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