(※写真はイメージです/PIXTA)

将来的に自身の財産を家族に相続させる場合、「少しでも多く手元に残るようにしてあげたい」と多くの方が考えるでしょう。高齢になると認知症などを患って判断力が低下するリスクが高まるので、なるべく元気で健康なうちに財産移転を計画的に進めておきたいところです。では日本の税制において、節税対策を踏まえた有効な財産移転を行うためにはどんな準備が必要でしょうか。本記事では、奥田周年氏の著書『新版 親が認知症と思ったら できる できない 相続』(ビジネス教育出版社)より、相続でより多くの財産を残すための、贈与税と相続税の基本を紹介します。

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相続時精算課税制度の活用

相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度は、平成15年にできた制度で、高齢者の資産を早期に子世代へ移転できるようにするため、贈与税の発生しない控除額を2500万円としている制度です。ただし、贈与者に相続が発生したときは、贈与財産を相続財産に加算して、相続税で精算します。

令和6年以降の相続時精算課税制度を利用した贈与は、110万円の基礎控除額があり、この金額の範囲内であれば、相続財産に加算する必要がありません。

この制度は、父には精算課税制度、母には暦年課税制度というように、贈与者ごとに使い分けができ、選択する場合は、「相続時精算課税選択届出書」を税務署長に提出する必要があります。なお、一度、この制度を選択すると、暦年課税制度に変更することはできないことに注意してください。
 

Point
・毎年、相続財産への加算の不要な110万円の基礎控除がある
・毎年110万円の基礎控除以外に、累計で贈与財産2500万円までは贈与税は発生しない
・選択には、「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要

 

相続時精算課税制度を選択できる人

この制度を選択できる人には、図表4の条件が必要です。
 

[図表4]相続時精算課税制度の条件

 

相続時精算課税の贈与税の計算方法

贈与税の計算は、次の算式で計算します。(贈与財産ー基礎控除額110万円ー特別控除額2500万円)×20%
 

相続時の精算

贈与者の相続税の申告では、相続時精算課税制度を選択した贈与財産は、110万円の基礎控除額を超える部分について、贈与時の価額で相続財産に加算します。なお、支払った贈与税は、相続税から控除でき、納税超過分は還付されます。
 

Point
・一度選択すると、暦年課税に戻ることはできない
・払いすぎた贈与税は還付

 

 

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次ページ実効税率が低くなるのは、相続税より贈与税

※本連載は、奥田周年氏の著書『新版 親が認知症と思ったら できる できない 相続』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

新版 親が認知症と思ったら できる できない 相続

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奥田 周年

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