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家づくりは5W2Hで考える
家づくりの相談で増えているのがオンライン相談です。特にコロナ禍の影響は大きく、コロナが収まって以降も、「まずはZoomで相談できますか」という問い合わせが多くなりました。筆者の会社では最初のZoom相談は無料で受け付けているので、申し込みをする方が非常に多いのです。
実際の相談でとりわけ多いのが「何から始めていいか分からない」という相談です。いろいろ勉強もしているのだと思いますが、「YouTubeを見すぎたせいか、逆に混乱して分からなくなってしまった」「不動産会社にも建築会社にも相談したけど、みんな言うことが違って、どうすればいいか分からない」といった声もよく聞きます。
そういった方々には、もつれた糸をほぐすように一つひとつ質問をしていくのですが、そうすると「そうか、ここが分からなかったんだ」と本人が気づき、今度は具体的な質問ができるようになってきます。
なぜ分からなくなるのかというと、「5W2H」がごちゃ混ぜになっているからです。When(いつ?)、Where(どこで?)、Who(誰が?)、What(何を?)、Why(なぜ?)、How(どのように?)、How much(いくらで?)の頭文字をまとめて5W2Hといいます。
この7つの要素を分けて考えられるようになると、自分が何に悩んでいるのかが整理され、家づくりがより現実的になってきます。
「今住んでいる場所で、家族4人。家賃や管理修繕費がもったいないので、性能のいい戸建てを、総予算8000万円でお得に建てたい」
このようなことを言う相談者がいました。一見したところでは具体的なことを言っているように聞こえますが、実は5W2Hがごちゃ混ぜになっています。そもそもからして、その予算で、その場所で、性能の高い家を“お得に”建てるのはそう簡単ではありません。
「もうちょっと駅から離れた場所にしたら?」「建物の面積を小さくしたら?」「断熱性能をそこまで求めなくてもいいのでは?」
どんなに助言しても、「大丈夫、きっと理想の家を建てられるはず」と思い込んでしまい、聞く耳を持とうとしません。困ったことに、もう現実が見えなくなってしまった状態です。だからこそ、「まず何を考えるべきか」を整理する必要があるのです。
人生で一度あるかないかの大きな買い物をしているのだから慎重になるのは当然で、セミナーに参加してみたり、ネットや書籍で情報を集めたりする人も少なくありません。大切なのは、集めた情報や知識のなかから有用な情報を選び出し、次のステップにどうつなげていくかです。あまり難しく考える必要はありません。本来、家づくりはもっとシンプルで、必要な“知識”は、大きく分けて4つだけです。
「不動産」「建築」「住宅ローン」「ライフプラン」
呆気にとられる人もいるかもしれませんが、本当にこの4つだけです。そして、これらの知識をベースに、考え方の軸になるのが「5W2H(7つの要素)」です。5W2Hは考える順番が大事なのです。普通はWhenからですが、家づくりは最後にWhenが来るのです。
先にWhenから考えて、子どもの入学に合わせて買うとした場合も、土地を買って家を建てるのも注文住宅の施工期間は会社によっても違うし、建売を買うのと家を建てるのも時期が違うから、入学日からの逆算が難しくなります。ほかの考えるべきことをクリアしていけば、いつ買うかを決めてそこから逆算で行動すればよいのです。
この5W2Hを整理して、考えなければならないことの優先順位をつけていくと、何から取り組めばいいのかが明確になり、家づくりの道筋が見えてきます。それが、家づくりの第一歩です。


