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家を建てた人の約8割が後悔しているという現実
「夢のマイホーム」と称されるほど、家族にとっての一大事ともいえる家の購入。そんなマイホームに関する不思議な調査結果があります。家を建てたばかりの方々へのアンケートです。
家は人生でいちばん大きな買い物といわれるくらいなので、大きな買い物をした方々はさぞかし満足しているだろうと思いきや、多くの方が「満足していない」「納得していない」と回答しました。その割合は77%にも及びます(2024年/株式会社マイホム調べ)。家を建てるのにどうしてこれだけの人が不満を抱いているのか、疑問に思われるかもしれません。
「対面の打ち合わせが多く時間が奪われた」「決めごとが多くストレスを感じた」
複数回答式のアンケートですが、こうした回答はそれぞれ300人中90人近くにものぼりました。
「手続きがアナログで面倒だった」「紙の資料が多く保管が大変だった」
一気に割合は減りますが、回答者のほぼ5人に1人がこのような不満を感じていました。ほかにも、「担当者と言った言わないで齟齬があった」「担当者が話を理解してくれなかった」などの不満も挙げられ、突き詰めていくと、施主(家を建てる注文主)とハウスメーカーや工務店などの担当者との間で、納得のいく意思の疎通が見られなかったことが不満の根源にあったらしいと推測できます。
しかし、このアンケート結果は筆者には意外でもなんでもなく、むしろ“さもありなん”という感じでした。住宅業界の関係者ならほとんどが同じように感じただろうと思います。住宅業界では、意思の疎通が図れなかったりコミュニケーションがうまく取れなかったりすると、このようなことが往々にして起こり得るからです。
長らく住宅業界に身をおいていると、業界全体が抱えている問題や、一般の人にはおそらく理解できないだろうと思えるような、悪習といってもいい慣習が見えてきます。つい先日も、相談に訪れた客からこんな話を聞きました。
「他社ではなく、うちと契約してくれたら1500万円引きにするって言われたんですよ」
思わずのけぞってしまいそうでした。1500万円といったら、超がつくような高級車が買えるくらいの金額です。交渉の過程で多少の値引きをしたり端数を切り捨てたりするようなことはあるにしても、一気に1500万円も値引きするなんてことは考えられないことです。こうした値引きは太っ腹だからできることでもなんでもなく、客に契約を急がせるために最初から値をつり上げていたと考えるのが妥当です。
あり得ないような話に思えるかもしれませんが、残念ながらこれが今の住宅業界のリアルです。こうした業界の慣習が時として、これから家を建てようとする人たちを困惑させ、翻弄することもあるのです。
