友人からのアドバイスで吹っ切れた
そんなことを思っていたある日、陽子さんが抱いているモヤモヤを何の気なしに学生時代の友人に話しました。すると友人からはこんな言葉が返ってきました。
「要は、お嫁さんやあっちのご両親とは違うってことなのよね。ほら、クラスにもいたじゃない? 明るくて誰とでも仲良くなるクラスの中心にいるような子。陽子は学生時代もどちらかというとインドア派だったじゃない。よく教室の隅で編み物していたわよね。静かに過ごすのが好きというか……。きっとお嫁さんのご両親は今の言葉で言えば“陽キャ”なのよ。だからって別に仲が悪いわけではないし、うまーく共存していたじゃない? クラスのイベントのとき、陽子は自分ができることを黙々とやっていて、彼女たちからも一目置かれてたというか、なんだかんだうまくやっていたと思うわよ。自分とはタイプが違うんだなって思えばいいんじゃないの?」
このアドバイスを聞いて、陽子さんは「そう言えばそうだったな」と納得したそうです。それからは、無意識に比べることをやめ、自分のペースで息子一家や孫との関わり方を考えるようになりました。「面白い本を贈るとか、私は私のやり方で関わればいいんだ」と吹っ切れた気持ちになったそうです。
気持ちが整理されてからは、LINEで送られてくる孫の写真や報告も楽しめるようになりました。この前は、ちょっとした会話からお嫁さんとドラマの話で盛り上がったと言います。「お義母さん、あのドラマ見ているんですか? 意外!」というお嫁さんからの言葉に陽子さんは思わず「甘いわね、私はあの脚本家の作品を昔からずっと見ているのよ!」って言ったら「すごい! 今度ドラマ倶楽部結成しましょうよ!」とお嫁さんから言われて思わず笑ってしまったそうです。「昔はこんなふうに楽しめるなんて思わなかった」と陽子さんは笑顔を見せました。
「正直、経済問題はまだ解決はしていませんが、無理することなく息子一家と関わっていければと思います」と陽子さん。
自分たちのペースで築く家族関係
陽子さんにとって大切なのは、自分たち夫婦の生活や気持ちの余裕を守りながら、息子一家や孫との時間を楽しむことだったのです。最近では「こんなのが流行っているのねえ」と興味を持って孫の日常を見守ることができるようになったと言います。無理せず、自分たちのペースで関わることが、老後を穏やかに過ごす秘訣になっているといえます。
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