(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の夫婦が直面する現実のひとつに、「介護を施設に任せるか、自宅に迎えるか」という選択があります。特に、要介護度が高くなればなるほど、在宅介護は肉体的・精神的に大きな負担を伴います。「やっぱり家で面倒をみたい」という思いは尊くても、それが日常生活に与える影響は決して小さくありません。「できる限り家で一緒に過ごしたい」――そう決意した家族が、その後、予期せぬ苦悩と向き合うケースも少なくないのです。

「やっぱり、うちが一番だよなあ」

東京都在住の75歳・佐野正一さん(仮名)は、5年前に脳出血で倒れた妻・澄子さん(当時70歳)を支えるため、仕事を早期退職。リハビリを経て澄子さんは歩行器での移動が可能になり、要介護2として在宅での生活を続けていました。

 

しかし2年ほど前、再発によって身体機能が大きく低下。要介護3と認定され、やむなく特別養護老人ホームに入所させました。

 

「面会に行くたびに、寂しそうにしていてね。『帰りたい』ってよく言っていたんだよ」

 

毎週のように訪れる施設での面会。澄子さんの口から繰り返される「うちに帰りたい」という言葉が、正一さんの胸に突き刺さりました。

 

正一さんは、息子やケアマネジャーと何度も話し合いを重ねました。

 

「本当に大丈夫?」

「食事や排せつの介助、夜間の見守りも必要になるよ」

 

それでも「やってみる」と決意。ホームを退所し、ふたたび自宅での2人暮らしが始まりました。週5回の訪問介護とデイサービス、月2回の訪問看護を利用し、なんとかやりくりする日々。

 

最初のうちは、澄子さんの笑顔も多く、正一さんも「やっぱり家が一番だ」と実感していたといいます。

 

しかし、徐々に現実の重さがのしかかってきます。夜中の排せつ介助、日に何度もある着替えやベッド移動、食事の介助。介護サービスがない時間帯は、正一さんひとりで全てをこなさねばなりませんでした。

 

さらに、澄子さんは言葉の理解が曖昧になり、暴言を吐いたり、突然泣き出したりするように。正一さんは眠れぬ夜が続き、体調も崩し始めます。

 

「俺が倒れたら、誰が面倒みるんだ…」

 

その言葉をつぶやいた夜、正一さんは涙をこぼしました。

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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