「税務調査じゃない」と安堵した社長。税務署が電話口で告げた〈ナゾの4文字〉…“本当の意味”を知ったときは、すべて手遅れ【税理士が解説】

「税務調査じゃない」と安堵した社長。税務署が電話口で告げた〈ナゾの4文字〉…“本当の意味”を知ったときは、すべて手遅れ【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

会社設立から5〜6年。そろそろ「税務調査」が来るかと身構えていた矢先、税務署から告げられたのは「法定監査」という聞き慣れない言葉。これがなにを意味するのか、経営者として知っておく必要があります。本記事では、A社長の事例とともに、申告漏れを取りこぼさない税務署の手法について、木戸真智子税理士が解説します。※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

「法定監査」から「税務調査」へ…80万円の修正申告

今度は報酬について問題が発覚します。Aさんの会社は業態上、多くの個人に業務委託依頼をしていましたが、そこに落とし穴がありました。業務委託と一口にいっても、業務内容によって源泉徴収が「必要な人」と「不要な人」にわかれます。

 

Aさんはその認識が甘く、源泉徴収をせず支払っていました。提出漏れが次々とみつかり、調査官の指示どおりに資料を提出。「予想していたよりも結構大変だったな……」とAさんは疲弊しました。

 

 

法定監査自体は、その資料提出でなんとか収束したものの……。ほどなくして、今度は「税務調査」の連絡がAさんのもとに来たのです。

 

法定監査で少し慣れたということもあり、Aさんは以前より緊張せずに当日を迎えました。調査官からは、法定監査のときと同様に、やはり業務委託について指摘を受けます。源泉徴収の漏れについては、すでに修正済みでしたが、今回の指摘は調査の「角度」が違いました。

 

「これは本当に業務委託ですか? 給与(雇用)ではありませんか?」

 

業務委託か給与かの判断は「実態」で決まるため、調査で最も指摘されやすいポイントです。Aさんには雇用か業務委託かにこだわりがなく、相手の希望に合わせていたため、明確なルールがありませんでした。この「ルールのなさ」が、指摘を受ける最大の原因となったのです。

 

契約書があっても、実態が伴わなければ意味がありません。もし「業務委託」ではなく「給与(雇用)」とみなされれば、消費税の追徴課税が発生します。さらに、継続的な取引の場合、3年ではなく5年に遡って調査されることもあります。

 

結果、Aさんの会社では数人の業務委託が「実態は社員と同じ」とみなされ、修正申告に応じることに。追徴課税は、約80万円となりました。

 

申告や決算に意識が向きがちですが、法定調書も義務であるため、漏れなく正しく提出することが大事です。日ごろから契約内容の実態をしっかり把握しておくことが、漏れを防ぐ最大のポイントとなります。

 

 

木戸 真智子

税理士事務所エールパートナー

税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー

 

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