株式投資アレルギーは、日常生活の延長で克服する
「投資」で真っ先に思い浮かぶのは「株式投資」ではないかと思います。でも、どの会社の株式を買えばいいのか、悩むところですよね。
私のおすすめは、日常生活の延長線上として考えること。つまり、普段よく利用する商品やサービスをつくっている会社の株式を買ってみることです。そして「1株だけ」買ってみることも、併せておすすめします。現在は昔と違い、100株などの「単元」ではなく1株から株式投資ができます。
たとえばよく飲むビールの会社、最寄り駅の鉄道会社、乗っている車のメーカー、好きな牛丼の会社、よく入る喫茶店……などなどです。
ちなみにこれらの会社は大手企業でも、1株約2000~3000円程度で買うことができることが多いです。配当金も入ります。企業によって異なりますが、1~2%程度の利回りになるケースも多いです。
ちなみに大手銀行に普通預金でお金を預けると、2025年3月現在では最大でも0.2%程度の利息ですから、はるかに大きなリターンとなります。
半歩踏み出すだけで、必ず得られるものがある
もちろん株式は値動きがあるので、得することもあれば、損をすることもあります。そこはあらかじめ、受け入れておかなければいけないところです。しかし先にもお伝えしましたが、小さく始めれば、リスクも小さくできます。
仮に買った株が5000円から2割下がれば、1000円ほど損をします。しかしそこで得られる知識や経験は、その金額をはるかに上回るものでしょう。
会社を選ぶ際に得た知識。実際に投資を行動に移したという経験。配当金を受け取ったという経験……などなど。これらは自信となり、今後のあなたの行動を大きく後押ししてくれるに違いありません。
銀行にお金を預けたままにしていると、インフレや増税でお金が削られてしまいます。言い換えると、株を買わなくても、株で損をしたのと同じくらい銀行預金の価値が目減りしてしまうことも、可能性としては十分あるわけです。
そう考えると、多少株価が下がっても長期的にみれば必ずしも損をしたとは言えません。仮にトントンだとしても、そこから何らかの学びを得られるほうが、将来のためになる、という見方もできるわけです。少なくとも私はそう考え、実行に移してきました。今の自分があるのはそのおかげなのは間違いありません。
なお人間は面白いもので、何かを行動に移すことで「もっとやりたくなる」という脳のしくみが備わっています。これは「作業興奮」と呼ばれていて、脳の側坐核という部位が刺激されることで、より行動を促す神経伝達物質が分泌されるのです。
だから小さく始めることを、大いに誇りましょう。どんなに小さな一歩でも、あなたの脳はすでに「投資家」に、大きく近づいているのですから。
永江将典
公認会計士・税理士
