ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
インフレに勝つための「資産を守る」選択を
同様に、日常生活に欠かせない商品やサービスを提供している企業も、強い価格決定力を有しています。たとえば、誰もが必要とする生活必需品メーカーや、圧倒的な市場シェアを持つプラットフォーム企業は、インフレ下でも利益率を維持しやすくなります。
ここで重要なのは、オーナー型株式投資を実践することで、あなたはこれら強力なビジネスモデルの「稼ぐ力」を自分のバランスシートに取り込める=自分の資産として保有することができるということです。
現金はインフレで価値を失いますが、強い企業のオーナーになれば、その企業が価格を引き上げ、利益を維持・拡大していくことで、あなたの資産もインフレに抗(あらが)う力を持つようになります。
もちろん、現物の債券(国債等)は十分に金利が高くなっていればインフレに勝てるかもしれない有効な投資先です。ただし名目上の利息収入があっても、インフレ率がそれを上回れば実質的な資産価値は目減りします。
ウォーレン・バフェットも、過去の株主への手紙で、インフレ環境下では高いクーポンが付いた債券でさえ実質的な購買力を維持できなかったと述べています。
政府は景気刺激のために債券を多く発行する傾向があり、その結果、債券投資はインフレに対抗する手段としては効果が限定的にならざるを得ません。つまり債券のクーポンは基本的にはインフレに勝たないような構造になっているのです。
現金をただ保有しているよりは、債券に投資して利息を得る方が理にかなっていると言えるでしょう。しかし、ここで言う債券投資とは、あくまで「現物の債券」への直接投資のことです。そしてこれは、一般的な個人にとっては決して手軽な選択肢とは言えません。
実際、個人が債券に投資しようとする場合、多くは債券現物ではなく、投資信託やETFなどの間接的な手段を選ぶことになります。ところが、こうした債券系ファンドは得られるリターンが限定的である一方、相応の信託報酬をチャージされるので、個人にとって、現時点の金利における債券投資は投資妙味の薄いアセットクラスだと思います。
また、債券投資も結局は通貨への投資です。今、インフレや円安の進行により、通貨の信頼性が揺らぎつつある時代です。仮想通貨や金(きん)などの資産価格が上昇している背景にはこのような「法定通貨への信用のゆらぎ」があると考えます。こうした不確実な時代にこそ、「強い企業を見極め、そのオーナーになる」ことの意義はかつてないほど高まっています。
あなたのバランスシートに、インフレをものともせず価値を生み出しけるビジネスを取り込むのです。現金は減価しますが、優れた企業の稼ぐ力は減価しません。むしろ、強い企業は時間とともに利益を積み上げ、あなたの資産を守り、増やしてくれるのです。
インフレに勝ちたければ、あなたはどちらを選びますか?
「価値が減っていく現金を握りしめ続ける」のか、「価格決定権を持ち、価値を積み上げる企業のオーナーになる」のか。その選択が、未来のあなたの生活を決定づけます。
