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高すぎた「授業料」…移住失敗からみえた現実
不幸中の幸いは、1億円で購入した家が9,000万円弱で売却できたことでした。損失は出ましたが、夫婦で月22万円の年金と、貯金を合わせれば資産は十分にあります。
夫妻は東京都下の利便性のいいエリアに5,000万円で中古住宅を購入。駅から徒歩5分、スーパーも病院もすぐそこの環境に、「なんて楽なんだろう」と心から実感したといいます。移住中に親しくなった別荘オーナーもいるので、軽井沢は、夏だけ遊びに行くには最高の場所になりました。
「軽井沢が過ごしにくい場所だったわけじゃない。老後の私たちが一年中暮らすには、体力的に無理があったんです」と久美子さんは静かに振り返ります。
移住にはライフステージを踏まえた現実的な計画を
原田夫妻の例は、誰にでも起こり得る「老後移住の落とし穴」を象徴しています。憧れの地であっても、気候の厳しさ、交通の便、医療アクセスといった現実的な要素は、移住前に必ず体験・確認すべきです。軽井沢のような別荘地では、冬期に空き家が増える傾向にあります。除雪体制が整っていないエリアもあり、シーズンによる過ごしやすさの違いを念頭に置く必要があるでしょう。
特に中高齢での移主は「自分たちの加齢と体力の変化」を冷静に考慮する必要があります。その手間を怠って、勢いだけで決断すると、老後資産を大きく減らすことにつながりかねません。
地域性の理解は移住において、最も重要なポイントです。四季を通じての生活体験や1年間限定の賃貸暮らしのお試し期間を経るなど、まずは事前準備の徹底と段階的な移住の検討を実践しましょう。そうすることで、移住後の生活における不安の軽減にもつながるはずです。
人生の豊かさを求めて移住しても、いざ移住してから「利便性と安心感」という現実的な暮らしやすさを重視し、出戻りを希望する人も少なくありません。これから移住を検討する人は、「短期滞在を通じた体験」や「将来的な出口戦略(売却や賃貸)」も含めて、ライフステージを踏まえた資金計画を立てることが重要です。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
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