短観(9月)や米国の9月ADP雇用統計などに注目
先週は日銀の政策判断を見通す上で、短観(9月)に注目しました(図表1)。
同調査では、特に注目度の高い大企業製造業の業況判断DIが14と前回6月調査から1ポイント上昇し、僅かながら景況感の改善が示されました(図表2)。
日米間の関税交渉が合意に至ったことなどが景況感の押し上げに寄与しました。一方、大企業非製造業では、物価高による消費の下押しやインバウンド需要の鈍化などを受けて、業況判断DIは34と横ばいとなりました。2025年度の設備投資計画(大企業製造業)は、前年度比+16.3%と前回調査の同+14.3%から上方修正され、今回の上方修正幅は例年に比べてやや大きめとなりました(図表3)。
企業収益が好調を維持する中で、脱炭素化投資やデジタル化・省力化投資といった構造的な投資需要がけん引したとみられます。今回の調査では、米国による関税賦課の影響が限定的にとどまっており、日銀の利上げ継続路線をサポートする内容と言えます。
FRBは9月FOMCで労働市場により重きを置く政策スタンスへとシフトしており、今後の利下げ判断において雇用のデータに注目が高まるなか、政府閉鎖により公式統計である雇用統計公表の延期が避けられないため、これまで以上にADP雇用統計に注目が集まりました。
こうした中で、ADPが公表した9月の民間雇用者数は前月差▲3.2万人となり、市場予想(同+5.1万人)に反して減少したほか、前月分は速報値の前月差+5.4万人から同▲0.3万人へと大きく下方修正されました(図表4)。
9月のADP雇用統計は労働市場の弱体化が示され、9月30日に公表されたJOLTSなどのデータも踏まえると、雇用の下振れリスクが示唆されており、10月FOMCでの追加利下げの確度は高まったと考えられます。
東京海上アセットマネジメント
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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