再会した友人の息子自慢・収入マウントに辟易
田中幸子さん(仮名・65歳)は一人暮らし。60歳まで事務員として勤めた会社を退職し、その直後から、家の近くの有名ファストフード店で週4日アルバイトをしています。年金は月12万円、貯金は1,600万円、アルバイトの収入は約月11万円。長生き家系であることもあり、少なくとも70歳までは働こうと決めていました。
接客業は学生時代以来ですが、シニア採用を積極的に行っているチェーン店で、マニュアルもしっかりしています。自分より年上のスタッフも活躍しており、家で何もせず過ごすよりずっと充実感がある日々。幸子さんは現在の生活に満足していました。
そんなある日、数年前に亡くなった父のお墓参りに訪れた際、中学から高校までの友人・藍子さん(仮名)と再会。昔話で盛り上がり、また会う機会が増えました。
しかし、会うたびに必ず話題に上るのは、藍子さんの有名大学卒・有名企業勤務・独立した息子の話と、年下の夫の高収入の話。そして幸子さんのアルバイト生活に対する「まだ働いているなんて、一人で大変ね……」という言葉の端々に、どうしても上から目線を感じてしまうのです。
藍子さんは若い頃にわずか2年間だけ働いた経験があるだけで、その後はずっと専業主婦。幸子さんは、自分との環境や価値観の違い、収入格差に徐々に会うのが憂鬱になり、誘いを断ることが増え、やりとりは途絶えました。
しかし、それから1年半ほどたったある日、思わぬ連絡が入ったのです。
