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疲弊する林業と木材のファスト化
日本の林業支援のための建築を考えるのであれば、当然に国産材の活用を第一に掲げるべきなのであるが、日本の林業は他国に比べ圧倒的に不利な条件にある。
高温多雨で多様な植物が生息し、樹木の繁茂にも適性があるはずの国土であるなら、どこが不利なのか、という疑問が湧くかもしれない。しかし問題は、樹木の植生や生育ではなく、樹木の管理と伐採や出荷における産業背景のハンデなのである。
現在、我が国が木材調達で頼っている外国は、北米や北欧、ロシアである。北米は特にカナダの針葉樹が主体なのであるが、実際にカナダの材木商社や林業者の元に出向いて、木材買い付けに携わったことのある筆者が、我が国との違いを実感したのが、樹木の育つ大地が真っ平らであることだった。
日本では樹木は山に育つ、しかも傾斜の強い急斜面であることが多い。林業に携わる者はみなこの急斜面で樹木の管理をせざるを得ない。
それに比較して、北米やロシアの大地は平らである。傾斜はあったとしても緩やかで徒歩だけでなく、自動車や重機の進入も容易である。そのため、針葉樹林は生育樹木ごとに綺麗に管理され、管理のための道路も伐採出荷のための道路も整備しやすく通行も容易である。同時に大型重機の搬入も可能であるため、一度に多くの丸太を運搬でき、大型の製材所の確保も容易である。
植林から成長管理、伐採から製材しコンテナ出荷までがワンストップでおこなわれているような現場も多数見受けられる。寒冷地であることの違いを除けば、ロシアの林業現場も同様だ。
