家庭裁判所への相談も視野に
真理子さんはその後、成年後見制度の利用を検討し、家庭裁判所への申し立てを行いました。申立書には、父の言動の変化や、見知らぬ人物との関係性に関する不安を詳細に記載したといいます。
「父の気持ちを否定するわけではありません。ただ、安心して暮らしてほしいだけなんです」
調査の結果、父は軽度の認知症と診断され、現在は専門職の後見人が財産管理を担っています。真理子さんとの面会も、支援員を交えたうえで定期的に行われるようになりました。
高齢の親と一定の距離を保ちながらも、孤立やリスクを防ぐ仕組みづくりは、今後ますます重要になります。
家族の関係性だけに依存せず、第三者を交えた話し合いや、制度を活用した支援体制の構築が、互いの安心につながるケースも少なくありません。
