(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高や将来不安が広がるなか、たとえ共働きで世帯年収700万円を超えていても、「子どもを持つ余裕がない」と悩む新婚夫婦は少なくありません。奨学金返済や家賃、低金利による資産形成の難しさに直面し、「親世代の常識」が通用しない現実に戸惑う声も聞かれます。

「貯金は大丈夫なのか」…親世代との価値観ギャップ

そんなAさんに、最近親からかけられた言葉は「貯金は大丈夫なのか?」でした。

 

「まったく大丈夫じゃないんですが、それも言えなくて。せめて投資でも始めようと考えて“新NISAに挑戦しようかと思ってる”と言ったら、『投資なんて絶対ダメだ!』と怒鳴られてしまいました」

 

Aさんの両親は、バブル経済を経験しており、当時の銀行預金の金利は5〜6%。100万円を預けておくだけで、10年後には約180万円になった時代です。

 

現在のメガバンクの定期預金金利はせいぜい0.25%。いまや貯金は「増えるもの」ではなく、「置いておく倉庫」にすぎません。

 

Aさんは最後に、こう語ってくれました。

 

「正直、投資が一攫千金なんてありえないことはわかっています。でも、節約だけじゃどうにもならない。だから少しでも増やしたい。家族を安心させたい。最近は資格を取って転職を目指している友人の気持ちも、すごくわかります。僕は履歴書に普通免許とTOEICの点数しか書けませんけど…」

 

「自分の生活で精一杯なんです。結婚したけど、将来は見えない。子どもを持つことに不安しかない。少子化とか言うけど、原因はシンプルで、“みんなお金がない”んだと思います」

 

2024年の出生数は68万661人。前年よりも約4万人減少しました。少子化の加速が止まらない中、Aさんのように「産めない」のではなく、「無責任に産めない」と考える若年世代は確実に増えています。

 

「子育てしやすい街づくり」だけでなく、賃金水準の改善や雇用・資産形成環境の整備こそが、本質的な支援になるのかもしれません。

 

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