(※画像はイメージです/PIXTA)

米経済の先行き不透明感に不安を感じる人が増え、資産をどう守るべきか悩む声が高まっています。こうしたなか、金価格は過去最高を更新。安全資産としての存在感を一段と強めています。本記事では、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが、そんな金が上昇する背景にあるFRBの政策や地政学リスク、中央銀行の動向、脱ドル化の潮流などを整理し、2025年9月の金の現状と今後の金価格の見通しを5つのデータから読み解きます。

中央銀行の金買いで下支えされ、金価格は安定

中央銀行需要が金価格を下支え

金が世界の外貨準備に占める割合は約30年ぶりの水準まで上昇し※9、当社の推定では2025年第1四半期時点で21%に達し※10、ワールド ゴールド カウンシルによると2025年第2四半期時点で26.8%となっています※11

 

この上昇トレンドは、金がフィアット通貨の主要な代替資産であることを裏づけており、またフィアット通貨に対する信認がますます疑問視されるなか、構造的ヘッジに使用する根拠を更に強めています。

 

◆米国の財政赤字がドルの信認を損なう

米国の財政問題は依然として不透明で、連邦財政赤字はGDPの6~7%で高止まりし続け※12、総連邦債務は37兆ドル超に迫り※13、年間金利費用は1兆ドル近くまで膨らむと予想されています※14。空前の財政ひっ迫はドルの長期安定性に対する信頼感を損ない続け、信頼できる外貨準備資産としての金の魅力を直接高めるでしょう。

 

◆中央銀行の脱ドル姿勢が追い風に

外貨準備運用は米ドルに集中していますが、中央銀行の73%は今後5年間で世界の外貨準備に占める米ドルの割合は低下すると予想しており※15、76%は金が外貨準備に占める割合は2030年までに上昇すると予想しています※16。FRBの独立性、制裁リスク、フィアット通貨への信認をめぐる懸念の高まりは、金が外貨準備資産として重要な位置を維持し、今後数年にわたりそのモメンタムが上昇する一助となるでしょう。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください。

 

 

ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント

 

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〈注釈〉
※1 Source: IMF, as of 12/31/2024.
※2 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※3 Source: BLS, University of Michigan, as of 8/31/2025.
※4 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※5 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※6 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※7 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※8 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※9 Source: Eichengreen, Barry, Livia Chiţu and Arnaud Mehl, as of 8/31/2025.
※10 Source: IMF, State Street Investment Management, as of 3/31/2025.
※11 Source: World Gold Council, as of 6/30/2025.
※12 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※13 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※14 Source: Bloomberg Financial L.P. and State Street Investment Management, as of 8/31/2025.
※15 Source: World Gold Council, as of 6/17/2025.
※16 Source: World Gold Council, as of 6/17/2025.

〈用語集〉

・中央銀行……国または国家連合のために、貨幣および信用の創造と分配を独立性を持って管理する金融機関

・フィアット通貨……政府が法定通貨であると宣言した貨幣ですが、金や銀といった現物のコモディティで裏付けられていません。フィアット通貨の価値は、発行政府に対する公衆の信頼と、交換手段としての集団的受容に由来しています。

・金のスポット価格……スポット市場における金の価格。国際的通貨コード「XAU」で表記される、1トロイオンス当たりの金価格。米ドル建て。

・LBMA午後金価格(米ドル/オンス)……LBMA金価格はIBAが独立して管理し、価格算出のためのオークション・プラットフォームを提供していますが、知的所有権はLBMAに帰属します。プラットフォームは、電子的に取引および監査が可能で、証券監督者国際機構(IOSCO)の金融ベンチマークに関する原則に沿って設計されています。

・実質金利……インフレ調整後の金利。物価上昇の影響を取り除くことで、真の借入れコストおよび投資による実際の利回りを反映します。

・米連邦公開市場委員会(FOMC)……米連邦準備制度内にある委員会で、金融政策を決定します。

・連邦政府赤字……米国政府の歳出額(支出額)が、税金やその他の源泉からの歳入額(受取額)を上回る額を示します。政府がある会計年度に徴収した金額以上に支出をした場合、財政赤字を抱えることとなり、このギャップを穴埋めするため、米国債を発行して資金を借り入れる必要があり、国の累積債務の増加につながります。

・脱ドル化……各国が国際貿易、金融取引、外貨準備における米ドル依存を減らすプロセスで、多くの場合、その背景には地政学的動機、制裁リスク、自国通貨の主権確保の取り組みがあります。


【ご留意事項】
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本稿に示されている見解は 2025 年8月 31 日時点の SPDR ゴールド戦略チームの見解であり、市場やその他の状況によって変わ
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