(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の資産運用というと、保守的なイメージが根強いかもしれません。しかし実際には、バブル期やITバブル期などを経て、株式や投資信託、不動産などに精通した高齢者も少なくありません。とくに経済や金融に関心のあった団塊の世代を中心に、自分の判断で積極的に資産を動かし、老後もリスクとリターンを見極めながら運用している人たちが存在します。

高齢者の資産運用と相続の現実

高齢者が積極的に資産運用を行う背景には、次のような制度と環境の変化があります。

 

■高齢者への金融資産集中

60歳以上の世帯が保有する金融資産は全体の6割以上を占めており、「資産の承継」は今後の大きな社会テーマとなっています。

 

■相続税対策としての「資産の組み替え」

資産の種類によって評価額が変わるため、現金よりも不動産や株式で保有した方が節税効果が見込まれるケースもあります。光子さんも、こうした知識を元に動いていた可能性が高いです。

 

■金融機関による「シニア向け投資サービス」の強化

金融庁の指導のもと、説明責任の厳格化が進み、高齢者への無謀な勧誘が減った一方で、本人の理解があれば「長期・分散・積立」の投資を継続する環境が整備されています。

 

「これ本当にばあちゃんの通帳?」──健吾さんの驚きの言葉は、単なる好奇心や皮肉ではありません。長寿社会において、「老後資金は使い切るもの」という発想はもはや過去のものとなりつつあります。

 

情報にアクセスし、学び、リスクをとる。光子さんのような高齢者の存在は、資産運用のあり方や家族のかかわり方に一石を投じているのかもしれません。

 

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