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「自由に生きてほしい」と言ったのは自分だったが…
都内湾岸エリアのタワーマンションに暮らす松永祐一さん(仮名・45歳)は、大手企業に勤務する年収1,300万円のサラリーマンです。妻の理沙さん(仮名・38歳)とは7年前に結婚し、現在は小学2年生の娘がいます。
理沙さんは結婚前、映像制作会社でバリバリ働いていましたが、出産を機に退職。以降は家庭を支えながら、「いつかまた映像の仕事に戻りたい」と語っていました。
「僕も、結婚当初は“夢を応援したい”という気持ちが強かったですし、家計もなんとかなるだろうと考えていました。でも今は、現実の厳しさに直面しています」
そう語る祐一さんの表情には、疲れがにじんでいました。
祐一さんは現在、毎月40万円ほどを住宅ローンに充てています。加えて、娘の私立小学校の学費・習い事代が毎月10万円を超え、ボーナスも教育資金の積み立てや車検などで消えていくといいます。
「外食もレジャーも控えているつもりなんですが、毎月の支出が思った以上に多い。残業代も減って、月々の手取りは70万円弱。使途不明金があるわけじゃないのに、気づけば通帳の残高がどんどん減っていて……」
理沙さんはフリーランスの映像ディレクターとして仕事を再開する準備をしているものの、まだ大きな収入は得られていません。「いずれ軌道に乗るはず」と本人は前向きですが、「“いずれ”がいつなのかは誰にもわからない」と、祐一さんは不安を感じています。
そんなある日、祐一さんはついに妻に伝えました。
「少しでもいいから、収入のある仕事をしてほしい」
この一言に、理沙さんは明らかに表情を曇らせました。
「“夢を追っていい”って言ってくれたのに、今さらそんなこと言うの?」
祐一さんも、言葉を飲み込みそうになりました。それでも、「家計を支えるのは、もう限界かもしれない」と思い、はっきりと伝えたといいます。
