ビットコインは金の上位互換
ビットコインが注目される背景には「インフレに強いデジタル・ハードアセット」としての側面があります。
円やドルなどの法定通貨は国の方針次第でどんどん発行される可能性があり、実際に歴史を振り返れば、多くの国で通貨の供給量は増加し続けてきました。その結果としてインフレが進行し、私たちが汗水流して稼いだり、大切に増やしたりしてきたお金の価値が目減りしてしまうという事態が起こっているのです。
その点、ビットコインは金と同じように発行量に上限(最大2,100万枚)が決まっているため、この上限を超えて新たに発行されることはありません。この「限りがある」という性質が、長期的に価値を保存する力になっているのです。
現在では、新しい時代の価値を保存する手段として「ビットコインは、金の上位互換である」と捉えている投資家も少なくありません。
さらに、2024年には約4年に一度、「半減期」と呼ばれる重要なイベントがありました。これは、新たに発行されるビットコインの量が半分になるタイミングのことで、供給が減ることで価格が大きく上昇しやすくなる傾向があります。過去の半減期を振り返っても、同じような動きが見られてきました。
そして今後は、ビットコインを取り巻く市場そのものが整備され、より多くの人々が安心して参加できる環境が整っていくでしょう。今ではアメリカでも、ビットコインを公的な「準備資産」の一部として法的に認める動きが現実のものとなりました。
例えば先日、ニューハンプシャー州の財務長官が公的資金の最大5%をビットコイン(およびその他の適格なデジタル資産)に投資することを承認する法案・HB302をアメリカで初めて成立させました。
この法律は、ビットコインを州の戦略的準備金として公式に組み入れる道を開くものであり、画期的な出来事として報じられました。ニューハンプシャー州に続き、アリゾナ州などでも同様にビットコインを州の準備資産として認める法案が可決されるなど、州政府レベルでのビットコイン採用の動きが具体化し始めています。
こうした流れから、ビットコインはもはや単なる投機的な資産という位置付けを超えつつあります。国や自治体などの公的機関が、価値保存の手段あるいは戦略的な準備資産としてビットコインを正式に認知し、実際に活用し始めていることを示す、非常に重要な兆候です。
2025年3月には、アメリカのトランプ大統領が、ビットコインを含むデジタル資産を国家戦略として位置付け、戦略的な準備資産として採用する、大統領令に署名したとの報道がありました。
またブラジルでも、国家の準備資産としてビットコインを取り入れる法案が議会に提出されたと報じられています。さらに、カナダのバンクーバー市では、市の財政運営戦略にビットコインを組み入れる検討を始めたことを公式に発表しています。
このように、世界各地の政府や自治体がビットコインを正式な財政戦略の一環として位置付け始めていることは、ビットコインが次の時代の新たな準備資産として受け入れられつつある証拠だと言えるのです。

