日本との違い…中央集権と地方分権
日本では1989年に消費税が導入されました。標準税率は10%で、国が7.8%、地方が2.2%(軽減税率8%では国6.24%、地方1.76%)。ただし地方消費税は国が集めた後に再配分する仕組みで、地方は国に依存した状態にあります。このような形態について、大阪学院大学の八ツ尾順一教授は、地方自治体は国が集めた地方消費税を国に清算・再配分してもらう、いわゆる「おんぶに抱っこ」といった状態に甘んじていると指摘しています。
背景には戦後のシャウプ勧告による税制整理が挙げられます。地租が固定資産税として地方に移管するなど、法的整備が図られて地方自治の原則が確立しましたが、基本的に中央集権的な仕組みは変わりませんでした。
一方、アメリカは独立後に「中央集権か地方分権か」をめぐる激しい論争の末、トーマス・ジェファーソンらの地方分権思想が採用されました。その結果、州の権限が極めて強く、連邦政府が州の税制度を奪うようなVAT導入は事実上不可能といえるのです。
旅行者が驚く「お会計の罠」
日本人がアメリカで買い物をすると、意外な点で驚きます。表示価格には税金が含まれていないことが多く、レジで支払う時に「思ったより高い!」と感じるケースがよくあるのです。しかも州や都市によって税率が違うため、同じ商品でも地域によって支払額が変わります。
レストランでも同じで、税金に加えてチップ文化があるため、支払額はメニューの表示価格より2~3割高くなるのが普通です。こうした「税とチップ込みの最終価格が読みにくい」点は、日本の消費税方式に慣れている人にとって大きなカルチャーショックとなります。
ちなみに7月に成立したトランプ減税法の一部にチップ非課税が規定されています。9月2日にアメリカ・ホワイトハウスが発表したリストによりますと、ウエーターや美容師、ゴルフのキャディー、イベントのDJやダンサーなど、数十の職種の従事者が受け取るチップが非課税となる見通しです。
矢内一好
国際課税研究所首席研究員
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