あなたにオススメのセミナー
生活費・住まい・年金——“別居後の現実”にも直面
旅行後、美和子さんは「少し距離を置きたい」として、実家近くにある賃貸住宅を借りてひとり暮らしを始めました。
突然の別居に戸惑いながらも、原田さんは一人の生活を受け入れるしかありませんでした。持ち家に残された原田さんは、生活費のやりくりに頭を悩ませる日々を送っています。年金の受給開始はまだ先で、「別居になってみて初めて、生活のことを真剣に考えるようになった」と語ります。
総務省『家計調査(2024年)』によると、60歳以上単身男性の平均消費支出は月約15.5万円。退職金で当面の生活はまかなえるとはいえ、病気や介護への備えがなければ、資金はあっという間に尽きる可能性もあります。
現在の原田さんは、週3日ほど地元の企業で再雇用の形で働きながら、生活の再建を目指しています。美和子さんとは月1回程度会って食事をし、ときには将来について話すなど、少しずつ関係を再構築しているところです。
「もしもう一度チャンスをもらえるなら、今度は“ふたりで決める人生”を歩みたいですね」
定年退職は人生の区切りであり、また新たな出発点でもあります。ですが、「夫婦一緒に歩むセカンドライフ」は、自然に実現するものではありません。理想を描く前に、現実を共有し、意識のズレを確認する——そんな話し合いの時間こそ、真に自由な人生の第一歩かもしれません。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
