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義姉の子が国立小に合格して
専業主婦の加藤まいさん(35歳・仮名)は、都内で働く会社員の夫と、小学2年生の娘と暮らしています。娘は私立小学校に通っています。世帯年収は1,500万円ほど。外から見れば順風満帆に見えますが、学費以外に寄付金やお付き合いもあって周りから見えるほど、家計に余裕があるとは言えません。そして、夫の姉、つまりまいさんにとって義姉(40歳)の長男が国立小学校に合格したことから、まいさんの心は揺らぎ始めました。
「これまでは周りからも親戚からも私立に通っているうちの娘がチヤホヤされていたんです。ところが義姉の子が国立に受かった途端、まるで宝くじに当たったみたいな騒ぎになって……。そう、国立の小学校って本当に“宝くじ”なんですよね」
完全に近所ではありませんが、似たようなエリアに住んでいる義姉一家。これまではサバサバした義姉の性格もまいさんと相性が良く、いい距離感を保ってきました。
しかし、子供の話になると別。屈託なく子供の様子を話す義姉にイライラするようになってきたまいさん。
「義姉が『私たちも私立のママを真似して集まっているの! さすが私立ママは違うわね!』なんて屈託なく話すんです。悪気がないのはわかっているんですけど、その言葉にどうしてもイライラしてしまって……」
ママ友会で見えた“違い”
その感情は、こんなところでも顔を出しました。
「先日、いつものママ友の集まりで、国立のママたちと同じお店にバッティングしたんです。外車のコンパクトカーで次々とファミレスに集まる私立ママたちとは違って、国立のママたちはバスやママチャリで来ていて。しかも国立はパパまで参加しているんですよ。前までは、私たちは余裕と基盤があるのでなんて思っていたんですけれど、ああ、なんか自由でいいなって思っちゃったんです」
義姉からも「共働き家庭も多いし、いろいろな家庭があるからパパも普通に来るの」と聞かされます。
「それを聞いても『学費が安いくせに、まだ稼ぐ気なの?』なんて、黒い感情がわきだしてきました。だって義姉の家族なんて共働きで2人とも稼いでいるから世帯年収は2,000万円とはいかないまでも1,700万円はいっているはずなんです。学費がほぼかからないのにズルいって思っちゃうんです」
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、入学金や寄付金など、そして給食費、学校外活動費を含めた年間の学習費総額は、私立で182万8,112円です。
